シルエット３

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恥ずかしいて取らへんかったら、
強引に繋がれた。


大毅の手の温度は、あの日と同じ。


胸がきゅっとなって、息も出来へん・・・



こんなにもこんなにも、
俺は大毅が好きなんや。


何度出会っても、
何度も恋に落ちる。

きっと最初から決まっててんな。

俺には大毅が必要やって。









ステージの上。

ギターかき鳴らしながら。


歌う大毅の声に聞き惚れてる。


お客さんの熱を間近で感じて、

この瞬間、ここにいられる事が、

奇跡のように感じた。


お客さんの中に、流星と望の姿を見つけた。


届いてくれたらええな。


奏でる音が、声を枯らして歌う声が。


誰かの笑顔になるように。



昨日、約束してん。


ライブ終わったら、時間くれへん？って、
大毅に聞かれて。


「うん。ええよ。
俺もしげに話あるねん」


そうは答えた。


ほんまは一緒に学祭回りたい。

大毅の居場所である、
神大の中、案内して欲しいねん。


やけど、そんなん言う勇気、俺にあるかな。


ステージ裏。

どやって声かけたらええんか、迷う。


大毅もなんでか、話しかけてこおへんし。


昨日の約束、違うかったんかな？

急に不安になってくるやん。


「しげ。
あのさ、話あるねんけど・・・」


やっと言えたけど、声が震える。


「俺もやで」


明らか不機嫌やねんけど？


ステージの上では目合う度に、

くしゃあって笑ってくれたのに・・・


最高のパフォーマンス出来たよな？


達成感で、今、胸一杯のはずやん。


「けど、ともからでええよ。
話って？」


改めて聞かれるとな、

めっちゃ緊張するし。


好き、なんて、

やっぱり、到底言えそうにない。


俺、なんでこない素直ちゃうねやろ。


それに、
こんなガヤガヤした落ち着かへん場所で言うんも、違うよな。


「案内、して欲しい」


「え？」


「しげと学祭回りたい」


「・・・」


大毅、黙ってるねん。


「俺の話、それ。
あかんのやったらええけど」


沈黙に耐えかねて。


つい嘘ついてしまったやん。


大毅、しばらくぽかんとしてたけど・・・


不意に、照れたように、笑ってくれた。


俺の大好きな笑窪見せて。


それから。


「ともはほんまに可愛ええな」


いつものように、脈絡なく、そう言うてん・・・

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