シルエット３

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今日は絶対に声かけよ、思いつつ、
研究室から出たら・・・


廊下で流星が俺を待っててん。


「しげ。ごめん。
ちょっとええ？
神ちゃんの事で話あるねんけど」


「うえっ？！へっ？」


びっくりし過ぎて、変な声出してもうた。



学食はうるさ過ぎるし、
空いてる講義室で話す事に。


窓際で並んで、外、歩いてく学生たちを、
なんとなく目で追う。


流星と二人きりなんて不思議な感じ。


なんか大事な話があるねやろうけど。

まず気になってんのは・・・


「なあ、そのパーカー、流星のやってんな」


「あ？うん。
いっぺん神ちゃんに貸した事あるからか？」


「うん」


「あの日、実はな・・・」


流星が話してくれた理由聞いて、
もうほんまにびっくりした。

とも、何にも言わんねんもん。


「俺、神ちゃんが心配やねん。
すごい悩んでるみたいで、
あんま寝れてないみたいやし、
食欲もないし」


流星の声は真剣で、胸にずしんと響く。


「全部、しげのせいやんな？」


「ごめん。
そうかもしれへん」


「しげ。
神ちゃんがなんでしげんとこよう行かんか、
分かる？」


流星が分かり切ってる事を聞く。


「小瀧に悪いからやろ？」


「それもあるとは思う。
俺も望は可愛い後輩やし、
出来たら、望の方、向いてやって欲しかったけど。
けどもう、無理やろ。
あんな、しげの事だけで心いっぱいやのにさ」


そんなん聞いたら、
今すぐ、ともんとこに飛んでいきたなるやろ・・・


「じゃあ、なんで・・・」


「しげの将来の事考えてや」


思ってもなかった台詞が返ってきて、
しばらく思考停止してもうてた。


「将来って？」


「神ちゃん、自分との付き合いは、
しげの出世？
そういうんのマイナスにしかならん思うてるねん」


「なんでそんな事・・・」


「女の子と付き合えるんなら、
絶対にそっちのがええって。
自分はもう女の子は無理やけど、言うてた。
けど、俺はさ。
はがゆいねん。
こんなに想ってんのに。
二人が離れてまうんが」


流星の言葉に、
目の奥が熱くなる。


とも、アホや・・・。

ほんまのアホやん。


「俺かて、女の子どころか、
ともしか無理や」


「神ちゃんも言うてたで。
泣きながらさ。
女の子があかんのやなくて。
大毅しかあかんねん、て」


とも。

俺ら、おんなじ気持ちやってんな。


修が言うてた、

会社に居づらくなって辞めてしまった先輩の話。


あれを気にしてんやろ？


俺はともの事、

誰より誇りに思うてるし、

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