シルエット３

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「それは・・・」


もう学祭まで１ケ月半しかないのに。

みんな、怒るよな。


「俺、謝って、
美桜ちゃんに戻って来てもらうわ」


「俺も一応説得してみるけど。
お前、学祭までなんで別れ話待たれへんねん」


「ごめん・・・」


どっちにしても、

ともは、もう、小瀧のもんで。

間に合わへんかったけど・・・


・・・嫌や。

絶対に嫌。


ともが小瀧にキスされるとか、
想像しただけで、吐きそうやし。

ちゃんと好きって伝えたい。

卑怯やって誰に非難されてもええ。


俺はともしか、愛されへん。

そんなん、最初っから分かってた事やのに・・・









ともが幸せなら、
俺の出る幕なんかないとか、
気持ちぐらい伝えてもバチ当たらんやろ、とか。

三日三晩、考え続けて出た結果。


正々堂々と戦わなあかんなって。

やから、俺、
まずは小瀧に正直に話すことに決めた。


日曜の夜。


『小瀧くん。
折り入って話したい事があるので、
時間取ってもらえませんか。
重岡大毅』


意を決して、メールを送った。


大学入ってしばらくしてから、
不便過ぎるて周りから苦情が来て、
携帯持つようになってんけど、

メールって、
いまだに苦手で、
なんでか敬語使てまう。

小瀧なんか年下やのに。


『なんの用事っすか？
今度の練習ん時やったらあかんのですか？
俺、割と忙しいんすけど。
ちなみにデートで』


すぐに緩ーい返信来た。


なんなん、こいつ。

こいつこいつこいつ。


あー。もおっ。


俺の伝えようとしてる事のが、
最低最悪やねんけどな。


小瀧は基本チャラいけど、

ともに対する気持ちだけは、

純粋やなあって思うから。


胸が痛い。


いうか、
ともが俺に振り向いてくれる可能性は、
果てしなく低いねんから、

そんな罪悪感を持つ必要ないか。


『そこをなんとかお願いします。
軽音の練習のない月火金日なら、
僕の方は、なんとかやりくりしますので』


日曜はフットサルやし、
その他の曜日は家庭教師と塾講のバイトやし、
ほんまはめっちゃ忙しいねんけど、

そんな事を言うてる余裕はない。


『仕方ないっすね。
じゃあ明後日の火曜で。
俺が神大の近くまで行きます』


そうして、なんとか約束取り付けて、
バイトは別日に振り替えてもらってまで、
小瀧と待ち合わせた。

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