シルエット３

３ ページ13

「じゃあ決まりっすね！
どこ行きます？
あー、楽しみ！」


望が、ほんまに嬉しそうに笑うから。

罪悪感で胸が痛んだ。


好きになれたらええのにな・・・




　









夏休みが終わって、後期の講義が始まった。

４回生やし、
学校に行くんは、ゼミと必修の何科目かだけ。


夏休み中に、
望の言う、デートを、何回かしてみたけど、

今までも普通に出かけたりしてたしさ。

なんも変わらへん気がする。

あんまり実感湧かへんねんな。
　


大学内のカフェで甘ったるいカフェモカ飲みつつ。


「流星に会うん、なんか久々な気がする。
相変わらず天然で、ほっとするわ」


すっかり、まったりしてたら。


「なあ、神ちゃんさ、
望に告られたってほんま？」


急に切り込まれて、むせた。


「う、なんで知ってんの？」


「なんでももなんも。
ずっと相談受けてたし。
勇気ない言うてたくせに、
頑張ったんやな、望」


「そっか。
そうやってんや」


俺、全然、知らんかった・・・


「流星は、そのさ、
男同士とか、偏見ないん？」


「えー、あるよ」


ズバッと言われてしもて、
ま、そうやんな、って。


「けど、望と神ちゃんなら話別やん」


「なんで？」


「なんでやろ？
やらしい感じしいひんし。
知らんオッサンの話思うから、
きしょいな感じるだけで、
友達なら何も思わへん」


「そっか」


「望、本気やで？
考えてあげたら？
神ちゃん、誰とも付き合う気ぃないみたいやけどさ。
望なら本気になれるかもやんか」


流星にも気付かれててんな・・・


「うん。前向きに考えてはみてるねんけど。
可愛ええ後輩やし、
なかなか意識出来へんねんなあ」


「まあ、焦らんでええんちゃう？」


「ありがとうな」


「いやいや。
礼は望から聞きたいわ。
散々話聞いてやってんねんから」


「そうなんや・・・」


のんの本気は伝わるねん。

真っ直ぐ過ぎて怖いぐらいに。


やから余計に、

早く好きにならなって、

気ばっかり焦ってまう。


恋ってどうやって堕ちるんやったっけ？


大毅が胸の真ん中におるせいで、

余分なスペースがないねん。


どやったら、あいつ、どいてくれんねやろ。

４→←２

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す