シルエット３

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まさか大毅と再会するなんて。


いや、そんな広い街でもないし、

いつかは偶然会えるとは思ってたよ？


でもそれは、街中でばったりとか、

そんなんをイメージしてた。


そう、この前、ちょうど、康二に会うたとこやねん。


康二、夢叶えて美容師なっててさ。

店に来て言われたから、行ってんで。


「もー！神ちゃん！薄情やわ！」


俺が挨拶もなしに、
島から突然消えた事、
笑い話にしてくれてさ。


そんな長い時間が経ってんなあって、
実感した、いうか。

俺ら、もう大人やねんな、って。



大毅の話も出たけど、


正月に島に帰って、
また大毅が袴で餅つきしたとか、

卒業したら大学院行くらしいとか、


そんぐらいやったな。


また３人で会おうや！言われたけど、

なんかそれは違う気がして。


言葉濁して、断ってもうてん・・・



サークル活動は夏休み中は週３回。

大毅がキーボードやってるバンドのギターやるって事に、なんとなく決まった。

ギターの子が急にやめて困っててんて。


大毅、最後まで目ぇ合わせてくれへんかったけどな。


「ほんま、何なん」


俺かって、平静とかそんなんとちゃうのに。


大毅が俺に会うて、
気まずそうにしてる理由。

知りたくなかったのに、
気付いてもうた。


多分さ・・・


考えてた時、不意に。


「大ちゃん、
今日、静か過ぎるよ。
やっぱ様子おかしい。
体調でも悪いの？」


「別に、そんなんちゃうけど・・・」


後ろから聞こえてきた、こんな会話。


ボーカルの女の子は、
たまたまやけど、うちの大学の２回生で。

酒井美桜って、言うらしいねんけど。

多分・・・

やなくて、絶対に、大毅の彼女。


なんで俺、こんな勘がええねん。


「ごめん。
俺、ちょっと忘れもんしたみたい。
美桜ちゃん、一人で帰れるやんな？」


「別にいいけど・・・
大ちゃんが終電なくならない？」


彼女、標準語やな、とか、
どうでもええ事に気付いたり。


「俺はどこまででも走れるから大丈夫！」


大毅、発言、意味不明やって。

まあ確かに、大毅はどこまででも走れるけどな。


電車がホームに入って来て、
酒井さんが乗り込んでく。


俺も、一旦は乗ってんけど・・・


ホームの大毅が気になって仕方なくて。

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