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「なんか聞いてるだけで凄いわ。
しげ、昔は村役場勤める言うてたのに」
ともが、懐かしそうに、目を細めた。
「言うてたなあ。
駄菓子屋のソーダアイス食べながらさ。
神ちゃんに大学行かへんの？言われて。
俺の人生、そっから劇的に変わってん。
何もかも神ちゃんのおかげやで。
ありがとうな」
「急に何やねん」
「お礼言うてなかったな思って。
いつもほんまに感謝してた」
「お礼なんかええって。
合格したんも、今があるんも、
しげの努力の賜物やし」
「とも、」
「しげ。名前で呼ばんとってや。
時々、呼ぶから・・・」
「ごめん。
無意識やった」
「俺があかんねんな。
ごめん」
「なんで？ともはなんも悪くない」
「また呼ぶやん」
「ええやん。
ともはともやし。
俺は・・・」
言いかけた時。
ともの電話が鳴った。
「ごめん。
のんからメールや。
迎えに来てる言うから。
しげ、また練習でな」
ともが立ち上がる。
千円札２枚、置いてかれて。
その薄い紙切れが、俺を拒絶してるように感じた。
窓の外。
通り過ぎる人みんなの視線を集めて、
小瀧がともを待ってる。
軽く手を挙げて、ほんまに嬉しそうに笑った。
ともが駆け寄って・・・
小瀧が照れくさそうに、
ともの手を取って、ぎゅっと繋ぐ。
俺、何見てんの？
もう嫌や。
ともを好きでおるんは、苦しい事の連続や。
けど、
やめたいのに、
自分の意思ではやめられへん。
好きやねん。
交差点、横断歩道の途中で、
ともが不意にこっちを振り返った。
悲しい、今にも泣きそうな顔してるように見えたんは、
俺の気のせい？
ともが幸せなら、それだけでええはずやのに。
なんでこんなに欲張りになってまうねやろ。
はっとして、
カフェを飛び出したけど、
二人はもうとっくに雑踏に消えてた。
どうしたらええん？
どうしようも出来へんのかな。
部屋に帰って、
冷蔵庫開けたら、
ともの好きなピオーネが所狭しと並んでる。
ライトできらきら輝いてるけど・・・
あの日の夕暮れには敵わへん。
あの頃に戻れたらええのに。
大人になった今なら、
とものこと守ってあげられるのにな。
もっと上手くやれるのに。
一晩じゅう、そんな事、繰り返し思ってた・・・
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りっつ(プロフ) - 久しぶりに読んで胸がふるふるしてます。あの、もしよかったら、修くんに緑ちゃんとの初恋を話してきかせる赤くんの場面を読みたいです。お時間あるときに是非書いてください！お願いします！ (2021年5月29日 9時) (
レス) id: d038e49da9 (このIDを非表示/違反報告)
未来(プロフ) - ロスすぎるううううう！！！！！！マジで泣いた (2021年2月8日 0時) (レス) id: d9b566665e (このIDを非表示/違反報告)
ゆ(プロフ) - 完結おめでとうございます！本当に大好きな作品でした。桃さんや真琴ちゃん美桜ちゃんの気持ちを考えるとただただ切ないですが、それと同時に赤緑が結ばれたのはまさに運命と思わされます。何度も読み返させていただきます。お疲れ様でした！ (2021年2月5日 20時) (レス) id: c2197c2c66 (このIDを非表示/違反報告)
ジャスミン黄橙(プロフ) - 最初っからドキドキが止まりませんでした！！完結おめでとうございます！！ (2021年2月5日 19時) (レス) id: 0cd046be96 (このIDを非表示/違反報告)
ミウ(プロフ) - 完結おめでとうございます！2人がやっと結ばれてすごく嬉しい気持ちでいっぱいですが、終わってしまうのが寂しいです…(><)続きのお話も読んでみたいな、と…。本当に素敵なお話をありがとうございました！！ (2021年2月5日 0時) (レス) id: 118c412c42 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：fool
| 作成日時：2021年1月31日 19時
