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彼氏。１ ページ37

緑side


二学期が始まった。


俺は、一応、吹奏楽部に入った。

サッカーよりかは楽器のが興味あったしな。


けど、

吹部には、大毅に片想いしてる成瀬真琴もおってさ。

成瀬にも周りの女子にも、
思いっきり敵視されてる。


サッカー部の連中にも、
嫌われてるし、

夏休みに金髪したせいで、

なんなら、
濱ちゃん以外の先生にも、
ヤンキーやて目をつけられてるし。


それに、

大毅の家族も、

俺が大毅に、
大学行くんが普通やとか、
いらんこと吹き込んだって怒ってて、

俺んこと、
あんまり良う思うてはらへん。


まさに孤立状態やけど。


大毅さえそばにおってくれたら、
それでええねん。


放課後は毎日、
部活終わりに自転車置き場で待ち合わせして、
大毅と一緒に帰る。

大毅がそうしよって言うてくれてん。


結局、自転車は買うてなくて、
毎日、大毅の後ろに乗っけてもらってる。

大毅、めっちゃ体力あるねん。


男らしい背中に掴まって、
風を切って、島ん中、突っ走ってる時、

めっちゃ、きゅんとなる。

言わへんけどな。



時々、寄り道して、海に行く。

二人で砂浜で遊んだり、
俺が踊るとこ、大毅が見てくれてて。

たまに、大毅にも教えたり。


付き合うてることは、
もちろん誰にも内緒。
　
はたから見たら、
ただの仲のええ男友達に見えてると思う。


それでも、みんな、

俺んこと、

大毅に悪影響を及ぼす悪魔みたいに思うてるっぽいけどな。

大毅は俺とおって、平気なんかな。

大毅が嫌な思いするんだけは嫌やな。


それだけが気がかり。


大毅は気にせんでええって、

いつも、きらきらの太陽みたいな笑顔で笑うけど・・・


ほんまは、

俺んせいで、

友達おらんなって、
寂しいんちゃうかな、って・・・





今日は俺の不得意分野を集合させた、球技大会。

運動得意な大毅は、
サッカーと野球とバスケに出るねんて。

俺は何にも出たくないんは山々やってんけど。

何か一つは出なあかんって、
濱ちゃんに説得されて、
余ってたバレーボールに出る事に。

バレーボールって、
やけに硬いし、
当たったら痛いよな・・・

ああ、憂鬱。

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