シルエット

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嫌な夢は見ずにぐっすり。

夢の中でもキスしたんは、

ともにも内緒やで。









朝から、

ともと流星と一緒に予備校に行って、
体験入学っていうんを申し込んだ。

流星には、
俺らが両想いやて事は、
まだ秘密にしとこ、て、

ともに言われたから、

不本意やけど、

素知らぬ顔して、
ただの友達のフリをしてる。


ともって呼びたいのに、

ちゃんと神ちゃんて呼んでる俺、偉くない？


予備校の先生の数IIの講義。

めちゃめちゃ面白て、
１時間半があっという間に過ぎた。


英語の授業も。

ともに借りて、
問題集の演習解いてたら、


「しげって、めっちゃ頭ええねんな」


覗いてきた流星に言われた。


ともの前で褒めてくれるって、
なんてええヤツ。

勝手にライバル認定して、
敵視してごめんなって、

心ん中でだけ謝っとく。


途中で、
ともの携帯が震えて、
自習室を出てったから、

流星と二人きり。


「しげは、どこの大学目指してんの？
賢そうやし、まさか国立？
神大とか？」


流星が色々質問してくる。


「シンダイて？」


「神戸大やん。
まさか知らんの？」


「聞いた事ある！
流星はシンダイ行くん？」


「まさか。
行けるわけないやん。
俺は私文。
神ちゃんもそうやで」


「シブン？」


「私立文系の略やん。
しげ、おもろいな」


「なあ、流星、
大学行ったら、
こんなおもろい勉強出来んの？」


「おもろいかどうかは知らんけど。
自分のやりたい分野、
もっと深く勉強するんちゃう？」


「へえ・・・」


俺も大学行きたいな。

そんなこと、初めて思った。


家族に言うたら、反対されるやろうな。


そこに、ともが戻って来た。


心なしか、寂しそうな顔してる。


「しげ。
下にしげのお父さんが迎えに来てるって」


「・・・そっか。
しゃあないよな。
流星、ありがとうな。
また島にも遊びに来てな」


「おお。
また行くわ」


立ち上がって自習室を出たら、
とももついて来た。


エレベーター使わずに、
階段を二人で降りる。

少しでも、二人きりでおりたかってん。


ともが途中で立ち止まった。

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