４ ページ39
あの、きらきらの笑顔は、
俺だけに向けられたもんやなかったみたい。
「しげのおかけで、
赤チームが優勝間違いなしやな！」
「しげ、午後も大活躍頼むで！」
大毅は元いた場所に帰ってん。
ここには、俺の居場所なんか、最初からない。
やから、俺も、いるべき場所に帰る。
たった、そんだけ。
振り出しに戻るだけ。
何もかもなかったことにして・・・
なんで出会ってしまったんやろう。
こんなに苦しいなら。
大毅になんか、出会わんかったら良かった。
そしたら、
涙が枯れるまで、
泣くこともなかったのに・・・
帰りはバスなんかなくて、
歩いて帰る。
８キロの道のり。
途中で雨が降り出して、
海はしけてて。
荒波が俺に襲いかかってくるようで、
震える。
大毅となら、何も怖くなかったのに。
いっそ、この波に飲まれたら、
もう何にも感じんでええんかな。
疲れた。
疲れてん・・・
向かう先、見失ってしもた。
気付いたら、堤防に座って、ぼんやりしてた。
「ともっ・・・」
大毅が俺の名前呼びながら、
海沿いの坂道を駆け降りて来る。
体育祭、抜け出して来たんかな。
真面目な大毅を、
変えてしもたんも、俺。
俺がここに来たせいで。
真っ直ぐに続いてた道が、歪んでしもた。
俺の目の前で止まった大毅は、
肩で息してる。
「とも、
見に来てくれてんな」
「ちゃうよ。
たまたま近く通ってん」
「そっか。
なんでもええよ。
会えて嬉しい」
「大・・・重岡、はよ戻りいや。
まだ終わってないやろ？」
「とも、どうしたん？
誰も周りにおらんで？」
大毅が俺の手を取ろうとするから。
振り払って、
座ってた堤防から、
道路に降りる。
「そんなん関係ないわ。
俺、もう、自分とは何でもないから。
苗字で呼ぶことにしただけ」
「とも？
なんで、いきなし、そんな事言うん？」
大毅、泣きそうな顔してる。
大事な人を傷付けてる。
けど、こんでええねん。
嫌われた方が、諦めつく。
「重岡んこと、もう好きやなくなった。
特別でもない。
そんだけ」
「とも。大人になんか言われたん？」
「別になんも言われてへんけど？」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 378人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ジャニーズWEST」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
りっつ(プロフ) - 赤くんへ！私は緑大好き人間ですが、視点は赤くん側ですねー、だって緑ちゃん可愛いんだもん！好きになってしまうよなぁ (2021年1月31日 9時) (
レス) id: dfb5502df5 (このIDを非表示/違反報告)
未来(プロフ) - 私だったら姉でも妹でも全力で歓迎するのになあ、、（おい腐女子め） (2021年1月30日 22時) (レス) id: 109c85bf37 (このIDを非表示/違反報告)
未来(プロフ) - 神ちゃんの冷酷な顔が目に浮かぶ、、怖い、、好き、、 (2021年1月30日 11時) (レス) id: 109c85bf37 (このIDを非表示/違反報告)
りっつ(プロフ) - うーん、なんというか、可愛く居ろうとは一切してないのにむしろ男らしく居ろうとしてるタイプなのに、どーしても可愛いくてそれを拾ってしまうファンや赤くんみたいな犠牲者続出という不思議なんですよ、やはり上手く語れんとにかくきゅんきゅんじゃ！失礼しました (2021年1月30日 6時) (レス) id: dfb5502df5 (このIDを非表示/違反報告)
りっつ(プロフ) - 度々しつれいします。緑ちゃんて我々に見せる姿はぶりっ子と違うのににじみ出る可愛らしさが拭えないって感じするのですよね、その悶絶キャラが遺憾無く反映されてる様にキュンキュンしています！傑作にも程があると思います！大好き！ (2021年1月30日 6時) (レス) id: dfb5502df5 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：fool
| 作成日時：2021年1月24日 19時
