【小説版】悲劇のブラックスワン (ページ25)

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ブラックスワンVSイーグルス　後編ページ25

「こっ、こいつらヤベェよ……リーダー、一旦退こうぜ……」
「……いや、まだだ。天妖ノ舞、必ず潰す！！」
　だが、状況は絶望的だ。キリトにもわかっていた。

　四回戦、玉川VSアキラ、曲スーハー２０００

「ここまできて負けるわけにもいかないよな！」
「絶対叩き潰してやる！」

　曲が始まる。
　早々にアキラの手元が狂った――玉川の軽やかな手つきとあまりに精確なプレイに衝撃を受けたのだ。
　それを取り戻そうとして手元がさらに狂う。
　一方、玉川は何の支障もなく叩いていた。

　結果:玉川、可0、不可0、アキラ、可19、不可18

　玉川の勝利だった。

「よっしゃぁ！」
「クソッ……！」

　玉川は大きくガッツポーズ。一方アキラは悔しがるのみだ。

　五回戦、翼禍VSレイ、曲ヒカリノカナタヘ裏

「負けないよ」
「絶対勝ってやる！」

　――到着した竜真はその光景に絶句した。
　そこにいたのは仲間たち――そして、次の暗殺対象。
　竜真は冷や汗を浮かべながら、依頼を脳裏で反芻する。

　翼禍、博洟、医療ミスによる患者の死を隠蔽した医療関係者の暗殺。
　玉川、点画、取引で談合をしようとしている工業系会社社長4名の暗殺。
　甘猫、屋形、売れ残った動物――猫を含む――を殺処分したペットショップ店員の暗殺。
　薔薇捗、深淵、氷葉、強盗グループの暗殺。
　遠藤、竜真を介さない直接依頼のため詳細不明。
　笑想、瀬戸口、乱咲、イーグルスに匿われたいじめっ子の暗殺。

　そして今目の前に居るレイ――黒澤レイは、笑想をかつていじめた主犯格。

　――曲が始まった。
　長複合音符が多く、難易度の高い曲。二人はあっさりと叩いていた。
　だが、最後に旧にテンポが早くなる。
　レイの手元が、狂った。
　だが翼禍は、一切崩れずに叩ききった。

　結果:翼禍、可0、不可0、レイ、可2、不可1

　翼禍の勝利だった。

「まぁ、こんなもんか」
「くそっ……冗談だろ！？」

　――そして、最終戦。冬乃VSキリト、曲幽玄・リベリオン

「よーし、最後は僕だ！」
「やってやる……！」

　曲が始まり、二人は叩いていく。
　冬乃は軽やかな手つきで叩き、ほぼ休憩地帯のないこの曲でいとも簡単にコンボを繋げていく。
　一方キリトもなかなか上手くコンボをしていたが、やはり冬乃には適わなかった。

　結果:冬乃、可0、不可0、キリト、可2、不可0

　冬乃の勝利だった。

「やった！」
「……認めてやる、天妖ノ舞……」

　こうして戦いは終結した。