ドロドロに甘やかしたい【太宰治】

甘やかしたい朝＿＿＿２ ページ3

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『………太宰…？』



太「ねぇ、A。君は私が嫌い…？」




太宰の質問の意図が分からないA
其れでも、太宰の悲哀を含んだ瞳から
只単に訊いている訳ではない、と思い




『嫌いじゃないよ。寧ろ＿＿＿っん……』


"好きだよ" と云おうとしたのだが

太宰の唇によって塞がれた為、云うことは出来ない。







其のまま舌を入れて、深くキスをする太宰


『……っあ、ふ……ん、…ふぁ…』


太「………ん、……っは…」


二人を繋いでいた糸はぷつん、と切れる






『…太宰、急に、どう…したの…？』


まだ整わない息を整えようとしながらも太宰に問う



太宰は只、Aを見詰めて


太「Aを抱きたい。」


と云う。その返答にAは驚きを見せる


だが、何故＿＿太宰の瞳には "悲哀" が
含まれていたのだろう。



『………………』




どう答えるべきか、否＿＿＿
何と答えようが 今の太宰には通用しないだろう


だが、Aも素直に "良いよ" と言えないのだ


それは、何故 。 そう問われても答えられない
のも事実ではある。実際、自分が一番理解出来ていないのだから。









太「無言は肯定と受け取るよ」




『…太宰は何で私を抱きたいと云ったの』



言い様のない、不安がAを襲う。

素直に "良いよ" と云えない理由に関係しているのだろうか








太「……君を愛してるから。だから、私の手で
　 ドロドロにしたい、そう思ったのだよ」



『………そっか』









其れからAは何も云わなかった


太宰も其れは肯定と受け取ったようだった









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