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何となく、荒北さんのお膝の上でまどろんでいると、耳の近くでプシュっとペットボトルを開封する音が聞えて目を開く。

すると口元にペットボトルが触れる。




「ロード終わって気ぃ失ったんだ。起きてから水分補給してねぇんだろ。ホレ、飲め」

「え・・・。あ、ありがとう、ございます」




ペットボトルに手を持って行こうとして、手がふるふるしていることに気づくと、荒北さんが口に当ててペットボトルを傾けてくれたので甘えることにした。


コクコクと冷たいスポーツドリンクが喉を潤してくれて、ああ、水分を求めていたんだなと自覚してしまった。

口の端から少し零れてしまったけど、ペットボトルをベンチに置いてからタオルで拭いてくれる。


なんだ、やっぱり子ども扱いされているんだから、総北のみんなと同じ感覚なんだろうなと思い直す。

1人で女の子扱いされている気がして自意識過剰だったみたいで恥ずかしくなった。




「ついでだ。コレも食っとけ」

「は、はいぃ。お世話かけます・・・」




今度はモッチリしたムース系の補給食を口元に運ばれて、大人しく食べることにする。

あ、これ私の好きなイチゴ味だ。


もきゅもきゅ食べさせてもらっていると、車のエンジン音が聞えてきて部室前で音が止まった。

開けっ放しの部室前で誰かの話し声から聞えて、すぐに福富さん、東堂さん、長澤さんが入ってきた。


けど、私の状況を見て3人とも固まってしまって動かなくなってしまう。

その後、荒北さんの体が硬直するのが分かって、私は食べさせてもらっていた補給食に口をつけたまま見上げたんだけど・・・。




「あ・・っ。これは、ちがっ。ばっ!?」




荒北さんの顔はダラダラと汗が流れていて、顔は茹でたタコのように真っ赤に染まっていた。


私は取りあえず、口に入っていた分の補給食を飲み込んで荒北さんにお礼を言ったのだけど、荒北さんは部室の扉前でフリーズしている3人から目を逸らすことはなかった。

すると、東堂さんが私たちを指差して叫んだことで福富さんと長澤さんの硬直は解けたのだった。

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作品ジャンル:恋愛
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瑠璃色の夢(プロフ) - ダリアさん» 素敵な感想ありがとうございます^^癒しになっているとお聞き出来て本当に嬉しいです♪今後も頑張りますのでよろしくお願いいたします(*^^*) (2019年10月29日 20時) (レス) id: 86b4dd6b0b (このIDを非表示/違反報告)
ダリア - 皆さんイケメンですね!ここに来るととても癒されます。姫ちゃん可愛すぎる!! (2019年10月29日 20時) (レス) id: 7c4b8b3529 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃色の夢(プロフ) - %さん» 嬉しい感想ありがとうございます^^気持ちを打ち明ける時期、どうしましょうね(汗)誰か1人が個別で飛び出しちゃわないように調整しながら悩みたいと思います★今後も頑張りますのでよろしくお願いいたします(*^^*) (2019年10月6日 10時) (レス) id: 86b4dd6b0b (このIDを非表示/違反報告)
- んんんんんっ!手嶋先輩も青八木先輩もイケメンですね!さて、いつ姫ちゃんに自分の心を打ち明けるのでしょう…?(ニコニコ) (2019年10月6日 10時) (レス) id: 02aec80553 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃色の夢(プロフ) - かあさん» 嬉しい感想ありがとうございます^^チーム2人はこんなところでもバッチリいいお仕事してくれますね(笑)今後も頑張ってまいりますのでよろしくお願いいたします(*^^*) (2019年10月4日 12時) (レス) id: 86b4dd6b0b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:瑠璃色の夢 | 作成日時:2019年8月15日 18時

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