弱虫姫奮闘記―癒しの姫君【弱虫ペダル】【第８期】

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手嶋先輩を見ると、先輩は少し困ったようにふわりと微笑んでくれる。


合宿中、何かあったのかな･･･？

箱学の監督さんが来てくれたので、箱学のみんなに向き直って頭をペコリと下げた。




「あの、ありがとうございましたっ。たくさんお勉強させていただけて、それに、とても楽しい４日間でしたっ」

「ああ。よく４日間頑張ったね。君の頑張りはうちの子たちのいい刺激になった。またこんな機会があればいいね。その時はよろしく頼むよ」

「は、はいっ。ありがとうございます」




監督さんは私の頭を初日の時のように優しく撫でてくれて、みんなで帰りに飲んでねとスポーツドリンクのたくさん入った箱をバスに積んでくれた。

にぃさまが私の自転車を車に乗せてくれて、いよいよお別れの時間になってしまう。


また、会えますよね･･･？

そんな気持ちで箱学のみんなを見渡すと、みんな笑って見送ってくれる。




「連絡してこいよ」




そう言ってくれて、私は前よりもっともっと箱学のみんなが好きになったよ。


バスに乗り込んだ私たちは、箱学のみんなに手を振って千葉に向けて出発した。

バスで隣りに座ってくれた手嶋先輩は静かに微笑んでくれたけど、やっぱりどこかいつもと違う。




「先輩･･･。あの、足･･･」

「うん？ああ。ちょっと俺と青八木は無茶しすぎてな。肉離れだ。時間が経てば自然と治る。心配するな」




そう言って微笑んだ手嶋先輩の顔は、やっぱりどこか辛そうだ。

そうだよね･･･私なんかが聞いてもお役に立てないし、頼りない人に相談なんて出来ないよね･･･。


せめて考え事のお邪魔にならないようにしようとしょんぼりする気持ちに蓋をする。

そう思っていたら、手嶋先輩が制服のスカートから覗く私の包帯に視線を落とした。




「姫こそ。落車なんて初めてだったろうし、怖かったろ？」

「ぇ･･･。あ･･･。大丈夫です。スピードも･･･落ちてましたし･･･」




俯いてそう言うと、手島先輩は私の肩に手を回して引き寄せられる。

先輩にもたれる形になって、そろりと見上げると、手嶋先輩は眉を下げて微笑んでいた。

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