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どうしよう・・・・。


あれから私の気持ちは何とか落ち着くことが出来たし、涙もある程度引っ込んだ。

でもあれだけ縋って抱きついてしまった手前、荒北さんにぴったんこしたまま、今度は羞恥で離れられないでいる。


荒北さんも私の必死のお願いを守ってくれているみたいで、片手で私を子供だっこしながらも、もう片方の手で抱きしめてくれていた。

あれだけ幼児のように泣きついておいて、もう大丈夫ですよぉなんて言うのもどうなの・・・?


というか、この状況からどうやって離れたらいいのか分からない。

スン・・・と鼻を啜って身じろぎすると、荒北さんはまた抱きしめる力を強めてくれる。

ザブリと音がして、近くで泉田さん、真波くん、新開さんが来てくれた。




「姫ちゃん。大丈夫?もう怖くない?」




・・・・コクリ。




「怖い思いをしたね。落ち着いたかい?」




・・・・・・・・・コクリ。




「姫さん。顔上げてごらんよ。ほら」




そう言われてはこのままでいるのはよくないと思って、少しだけ顔を上げると、きゅっと抱きついている荒北さんの肩越しに新開さんがいて、変顔を披露されてしまった。

まだ涙の溜まった目でその顔を目の当たりにしてしまった私は大きく目開いた後、ふにゃりと笑ってしまう。




「・・・ふふ」




溜まっていた涙は目を細めたことでぽろりと頬を滑り落ちていった。

気分はいないいないばぁをされた幼児の気分だ。

きっと新開さんはいいパパになれると思う。


私が笑った気配を感じ取ったのか荒北さんは、抱きしめている腕の力を抜いて私の顔を見下ろしている。




「はぁ・・・。マジで焦ったぁ。あんま心配かけんじゃねぇよ」

「は、はい・・・。お世話、おかけしました・・・」




しょんぼりしていると、荒北さんが私のおでこに自分のおでこをくっつけてきた。

目だけで上に視線を上げると、思っていた以上に優しい目と視線が絡む。




「ばぁか。・・・別に怒ってんじゃねぇし、お世話したとも思ってねぇよ。勘違いすんな」




そう言って荒北さんは優しく目を細めた。

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作品ジャンル:恋愛
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瑠璃色の夢(プロフ) - ダリアさん» 素敵な感想ありがとうございます^^癒しになっているとお聞き出来て本当に嬉しいです♪今後も頑張りますのでよろしくお願いいたします(*^^*) (2019年10月29日 20時) (レス) id: 86b4dd6b0b (このIDを非表示/違反報告)
ダリア - 皆さんイケメンですね!ここに来るととても癒されます。姫ちゃん可愛すぎる!! (2019年10月29日 20時) (レス) id: 7c4b8b3529 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃色の夢(プロフ) - %さん» 嬉しい感想ありがとうございます^^気持ちを打ち明ける時期、どうしましょうね(汗)誰か1人が個別で飛び出しちゃわないように調整しながら悩みたいと思います★今後も頑張りますのでよろしくお願いいたします(*^^*) (2019年10月6日 10時) (レス) id: 86b4dd6b0b (このIDを非表示/違反報告)
- んんんんんっ!手嶋先輩も青八木先輩もイケメンですね!さて、いつ姫ちゃんに自分の心を打ち明けるのでしょう…?(ニコニコ) (2019年10月6日 10時) (レス) id: 02aec80553 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃色の夢(プロフ) - かあさん» 嬉しい感想ありがとうございます^^チーム2人はこんなところでもバッチリいいお仕事してくれますね(笑)今後も頑張ってまいりますのでよろしくお願いいたします(*^^*) (2019年10月4日 12時) (レス) id: 86b4dd6b0b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:瑠璃色の夢 | 作成日時:2019年8月15日 18時

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