弱虫姫奮闘記―癒しの姫君【弱虫ペダル】【第８期】

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ごはんの後、少しだけ休憩して初日と同じようにみんなで出発。

平坦はやっぱり泉田さんと新開さんが、登りでは真波くんと東堂さんが競いながら離脱しては戻ってくる。


私はひたすら最後まで走り切ることを目標に必死になってペダルを回した。

折り返し地点では前回よりは体力も残っていて、ちゃんと補給に気をつけながらペース配分も出来ていたと思う。


やっと箱根山を反対側から登りきって下りに入って、後は下って平坦コースだけだ。

今日は走りきれるかもしれないと、私はほっと気を抜いてしまったんだと思う。


下りのスピードが上がりすぎて、前を走る東堂さんの後輪と接触しそうになってしまって慌ててブレーキをかけてしまった。




「ひゃ･･･っ」

「ば、ばかっ！急に下りでブレーキかけんな！！そんなことしたら･･･っ」




後ろから荒北さんの驚いたような叫び声が聞えて、ハッとした私は何とか体勢を整えられた。

だけど後ろにいた荒北さんが通りすぎて心配して振り向いてくれた時、減速しすぎてしまってバランスを保てなくなった私は見事に地面とこんにちはしてしまったのだ。




「きゃぁっ」

「「「姫っ！」」」




ほぼスピードは出ていなかったとはいえ、コンクリートの道路で落車してしまえば痛い。

左前に転がってしまった私は、左膝と左肘を擦り剥いてしまったみたい。


痛いというよりは、擦り剥いた怪我は血が冷たく感じるくらいに熱いと感じた。

倒れこんでしまった私を慌てて抱き起こしてくれた荒北さんの向こうからはロードバイクを置いて走ってきてくれたみんなが見える。




「姫！頭は！？頭は打ってねぇかっ！？」

「･･･ぃ、た。は、はい。多分、大丈夫です。ご、ごめんなさい･･･」

「いや、怪我は･･･。･･･。擦り傷は痛みより火傷のような痛みが出るな」




福富さんが心配そうに私の怪我の具合を見てくれて、私は荒北さんに大丈夫だと言ってなんとか立ち上がった。

出血は少し多いけど、足も挫いていないし、腕も大丈夫。

打ち付けてしまった肩は少し痛いけど、骨は大丈夫だと分かってホッとした。

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