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お昼ごはんを食べ終わって、みんなぐったりしてしまった。
みんなにお礼を言って自転車部の部室にお邪魔して少しだけ休憩すると、コソコソと部室の外から何人かの部員さんが私の様子を窺っていることに気づいた。
やたらと目が合うけど、目が合った瞬間にはサッと隠れられているこの状態は、自分に自信がない私にとっては結構ストレスに感じてしまう。
隠れられている間に開けっ放しになっている扉まで行くと、思い切って話し掛けてみることにした。
「あ、あのぉ・・・。私に何か、ご用でしょうか・・・?」
「「おわぁっ!?」」
お・・・おわぁって・・・、そんなに驚くことないじゃない・・・。
私やっぱりみんなと違って変なのかな・・・主に見た目とか・・・。
そう思うと泣きたくなった。
「っ!?い、いや、泣かないで・・・っ!せっかく可愛・・・ってぇぇぇぇっ!?すみませんすみませんっ!!」
「許してくださいっ!悪気はこれっぽっちもありませんでした!!」
私の視界がぼやけてしまったところで、突然2人の部員さんは飛び上がるほど驚いて土下座しそうな勢いで頭を下げる。
私、そんなに怖そうに見えるのかな・・・?
そう思っていたけど、視線は私の後ろに向かっていて不思議に思って振り向こうとしたら頭の上から声が降ってきた。
「・・・何故泣かしている?お前たち、練習再開の時間は過ぎている」
「は、はいっ。すぐ行きます!!」
「すみませんでしたっ!!」
福富さんの地を這うような低い声に、部員さん2人は走って行ってしまった。
さっき、あの人たちは何を言いたかったんだろう・・・?
部員さんたちの後姿を見送って呆然としていると、福富さんが背中に手を置いて、部室の中に連れて行ってくれる。
他のみんなは私の顔を見て心配そう。
「うちの部員がすまなかったな」
「え・・・?い、いえ。あの。私・・・あの・・・」
「姫さん?何か言われたりしたのかい?」
私が首を横に振って否定すると、みんな私が何か言おうとしているのを静かに待ってくれているけど、聞いていいのかな・・・?
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瑠璃色の夢(プロフ) - ダリアさん» 素敵な感想をありがとうございます^^状態異常という表現に嬉しすぎて笑っちゃいました(笑)神・・・なんて素敵なお言葉いただけるなんて光栄です><今後も頑張りますのでよろしくお願いいたします(*^^*) (2019年10月29日 3時) (レス) id: 86b4dd6b0b (このIDを非表示/違反報告)
ダリア - 荒北さん(箱学メンバー)との合宿、最高すぎて“悶える”という状態異常にかかりっぱなしでした^^この作品神がっかてます! (2019年10月28日 22時) (レス) id: 7c4b8b3529 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃色の夢(プロフ) - ソラさん» いつも感想ありがとうございます^^たくさんコメント頂けて嬉しい限りです♪何度も読み返してくださって感激です!推しが決まらない内はブレブレでいろんな方に愛していただきますね★今後ともよろしくお願いいたします('-'*) (2019年8月4日 1時) (レス) id: 86b4dd6b0b (このIDを非表示/違反報告)
ソラ(プロフ) - 何度もコメすみません(^^;) 荒北さんのお姫様抱っこに触発されてまた1話から全部読んできちゃいました(≧∇≦)何度めかな笑。読むページによって推しが変わりますが姫ちゃん可愛い過ぎますね。箱学の押せ押せ楽しみにしていますね(^ ^) (2019年8月3日 18時) (レス) id: c7e90ea51e (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃色の夢(プロフ) - 的場琳さん» 嬉しい感想ありがとうございます('-'*)総北陣の大人しさが際立つ箱学の押せ押せを執筆できればと思います。今後も頑張っていきますのでよろしくお願いいたします^^ (2019年7月30日 21時) (レス) id: 86b4dd6b0b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:瑠璃色の夢 | 作成日時:2019年5月31日 2時