01 ページ1
私の部屋は角部屋だし、お隣さんは空室だから余程足音を立てて暴れたりしない限りは大きな声くらいは大丈夫だと思う。
あ、そうだ。
明日みんなで遊びに行くのなら、お弁当のおかずとかサンドイッチをたくさん増やしておかないとだなぁ。
明日は早起きすることにしよう。
朝ごはん、トーストにしたらお昼もパンになっちゃうけど、お米の方がいいかな?
それともさっき作ったサンドイッチを軽めの朝ごはんにしてお弁当はおにぎりにしようかな?
長い髪を拭きながらダイニングまで戻ると、開いている私の部屋で何故か睨み合ってる手嶋先輩と巻島先輩がいた。
キョトンとしている私に気づいた青八木先輩が静かに立ち上がって、氷の入っていないグラスを持ってダイニングに来て氷を入れてテーブルに置いてから、手を引いて洗面所まで戻される。
「姫。髪、濡れたまま。・・・風邪ひく」
「あ、はい」
青八木先輩は私の後ろに立つと、タオルでポンポンと私の髪を軽く叩いて水気を取ってくれる。
チラリと鏡越しに先輩を見ると、目が合って微笑んでくれた。
ドライヤーで髪を乾かしてもらいながら、ドライヤーの風で青八木先輩の前髪がふわりふわりと遊ばれているのを見て、心が穏やかに、静かになって行くのが心地いい。
目を閉じて温かい風と優しい手にうっとりとしてしまって慌ててパチリと目を開くと、青八木先輩が私の髪をひと房手に取って口付けをしていた。
青八木先輩が目を開きそうになった時、慌てて目を閉じてしまった。
ドライヤーの音が止んで、先輩の静かな声が聞えてそろりと目を開いた。
「・・・姫。乾いたよ」
「っ。は、はいっ。ありがとうございました・・・っ」
「・・・ん」
ふわりと微笑んだ青八木先輩は、絵本に出てくる王子様みたいだと思う。
そっか、さっきのは私の幻想だったんだ。
・・・・とは流石の暢気な私の思考でも『待った』がかかったけど、パパも私のふんわりした髪は頬ずりしたくなるくらい愛おしいと言ってくれていたのを思い出して、青八木先輩もそうだったのかなと思った。
158人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「愛され」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
瑠璃色の夢(プロフ) - ダリアさん» 素敵な感想をありがとうございます^^状態異常という表現に嬉しすぎて笑っちゃいました(笑)神・・・なんて素敵なお言葉いただけるなんて光栄です><今後も頑張りますのでよろしくお願いいたします(*^^*) (2019年10月29日 3時) (レス) id: 86b4dd6b0b (このIDを非表示/違反報告)
ダリア - 荒北さん(箱学メンバー)との合宿、最高すぎて“悶える”という状態異常にかかりっぱなしでした^^この作品神がっかてます! (2019年10月28日 22時) (レス) id: 7c4b8b3529 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃色の夢(プロフ) - ソラさん» いつも感想ありがとうございます^^たくさんコメント頂けて嬉しい限りです♪何度も読み返してくださって感激です!推しが決まらない内はブレブレでいろんな方に愛していただきますね★今後ともよろしくお願いいたします('-'*) (2019年8月4日 1時) (レス) id: 86b4dd6b0b (このIDを非表示/違反報告)
ソラ(プロフ) - 何度もコメすみません(^^;) 荒北さんのお姫様抱っこに触発されてまた1話から全部読んできちゃいました(≧∇≦)何度めかな笑。読むページによって推しが変わりますが姫ちゃん可愛い過ぎますね。箱学の押せ押せ楽しみにしていますね(^ ^) (2019年8月3日 18時) (レス) id: c7e90ea51e (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃色の夢(プロフ) - 的場琳さん» 嬉しい感想ありがとうございます('-'*)総北陣の大人しさが際立つ箱学の押せ押せを執筆できればと思います。今後も頑張っていきますのでよろしくお願いいたします^^ (2019年7月30日 21時) (レス) id: 86b4dd6b0b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:瑠璃色の夢 | 作成日時:2019年5月31日 2時