弱虫姫奮闘記―癒しの姫君【弱虫ペダル】【第６期】

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真波ｓｉｄｅ



今日は合宿最後の夜だから、夕食後に総北と箱学の皆で温泉に入って親睦を深めようと聞いて、俺はいつも通りにっこり笑って『楽しそうですねぇ』と言った。

夕食が終わって一息ついていると、３年生と泉田さんと俺で屋上に向かう。


いつもの合宿は、大浴場の露天風呂に入るから屋上の貸切露天風呂は初めてでワクワクしていたけど、何故か用意されていた水着を渡されて不思議に思った。

屋上だから視界も開けてて外から見えたりするのかな？と思って素直に水着を着て露天風呂に向かった。


『展望露天風呂』と謳っているだけあって景色がすごく良い。

やっぱり高いところは最高だなぁと思う。


山も好きだけど孤独だから、みんなでワイワイ景色を見て、星見風呂なんて凄く良いよね！

東堂さんの親もGWのこの時期によく貸切にしてくれたなぁと思う。

そんな事を考えていると、荒北さんが急に怒り出して、福富さんと総北の金城さんを怒鳴りつけていた。



「ちょっ！福ちゃん！そんなの聞いてねぇしっ！おい金城！」

「まあ、ずっと１人だと可哀相だろうという女将さんの好意だ」



一体何の話をしているんだろう？

煩いなぁ。

せっかくの景色を楽しめないじゃないか。



カラカラ･･･。



そう思っていると、俺たちの入ってきた扉とは別の方向で扉の開く軽い音が聞こえて視線を向ける。

え･･･？なんで･･･？なんでそこに姫ちゃんがいるの？


驚いて姫ちゃんを観察していると、照れたように顔を出しては、ぱっと顔を引っ込めて、またチラリと顔を出す。

･･･何、この可愛い生き物。


頬をピンクに染めて潤んだ瞳で、半分扉からチラリと覗いている姫ちゃんは、超絶に可愛かった。

先輩たちも時が止まったかのように姫ちゃんを見守っている。

さっき荒北さんが怒鳴っていたのはこのことだったのかと気づいて、水着着用の意味に納得してしまった。


少し目を泳がせて、意を決したように勢いよく扉を開いて見えた姫ちゃんの水着姿が可愛すぎて盛大に咳き込んだ俺は絶対に悪くない。

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