26 ページ26
私たちも少し遅れたけれど、みんなの待つ大広間に行って朝食を済ませた。
割り切ったつもりでいたけれど、心の中ではやっぱり落ち込んでいたみたいで、あまりごはんは食べられなくて、ママ枠の青八木先輩にすごく心配されてしまった。
あまりみんなに心配かけたくないのに、ダメダメな私にがっかり。
隣りでごはんを食べながら聞いてくれていた青八木先輩と新開さんが慰めてくれた。
一度お部屋に戻ってロビーに集合したみんなは各学校のロードジャージを着ているのに、私はTシャツと短パンという見学仕様。
少し離れたところでにこにこ見ている横山さんをチラリと見ると、微笑ましいものを見る視線で私を見ている。
はふっとため息をついていると、新開さんが背中をポンと叩いてくれた。
「また皆で走れるチャンスはあるさ。そうガッカリしなさんな」
「は、はい。ありがとうございます。頑張ってくださいね」
「おう。ありがとさん。姫さんも走れなくても皆で頑張ることは出来るって知ってるだろ?だから一緒に頑張ろうな」
「・・・あ。・・・・はい。そうですね!」
そうだった。
私も先月末のレースでそう思っていたこと、がっかりの気持ちに隠れて見えなくなっちゃってたみたいだ。
一緒に走るだけが『一緒の気持ち』になるわけじゃないこと、私はちゃんと知っていたのに。
私は金城先輩のところへ小走りで行くと、先輩のシャツの裾を引いた。
「先輩っ。わ、私、少し用事があるですっ。ちょっとだけ行ってきていいですか?」
「あ、ああ。それは構わないが・・・。だが、1人にするのは・・・」
「えっ。あっ。そ、そうですよね・・・っ。あ・・・っ。ママさん!」
私はロビーを横切った東堂ママのところへ走ると、ママさんの腕にしがみついた。
ママさんは『まあっ』と顔を輝かせたけれど、お願いママさん・・・察してくださいぃっ。
「先輩。わ、私の用事、ママさんに付き添ってもらいますから心配ないです!」
「そう、なのか・・・?」
私と金城先輩は同時にママさんに視線を向けた。
190人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
瑠璃色の夢(プロフ) - ダリアさん» いつも嬉しいコメントをありがとうございます^^素敵なお言葉をたくさん頂けてモチベーションを保てています。本当に感謝感激です。今後も頑張っていきますのでよろしくお願いいたします(*^^*) (2019年8月18日 1時) (レス) id: 86b4dd6b0b (このIDを非表示/違反報告)
ダリア - これを見ると疲れが癒されます。姫ちゃん可愛すぎです! (2019年8月18日 1時) (レス) id: 7c4b8b3529 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃色の夢(プロフ) - 美月さん» 嬉しい感想ありがとうございます♪応援と温かいお言葉、とても励みになります^^今後も頑張っていきますのでよろしくお願いいたします(*^^*) (2019年5月3日 10時) (レス) id: 86b4dd6b0b (このIDを非表示/違反報告)
美月(プロフ) - はじめまして!第1期から見させてもらいました!もの凄く面白いです!過保護な自転車部員は見てて凄く楽しいです!この作品大大好きです!応援してます!! (2019年5月3日 9時) (レス) id: 001893ea4c (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃色の夢(プロフ) - かあさん» 嬉しいコメントありがとうございます^^確かにベタですよね。ですがなかなか私好みの方向に行ってくれない終わり方の小説が多くて執筆し始めてしまいました(汗)自己満足な小説になってしまっていますが今後とも頑張りますのでお付き合いくださると嬉しいです^^ (2019年4月21日 7時) (レス) id: 86b4dd6b0b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:瑠璃色の夢 | 作成日時:2019年1月25日 0時