弱虫姫奮闘記―癒しの姫君【弱虫ペダル】【第６期】

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私も泉田さんや他の先輩たちと同じようなキョトンとした顔をしていたかもしれない。



「青八木先輩は、私のママ役なんですか？」

「ん。･･･今はそう」

「それでお魚の骨も取ってくれたりしてたのですね。ふふ。ママですか」



髪の水分を取ってもらいながら私は青八木先輩の今までの行動を振り返って納得しながら温かい気持ちになった。

ふふっと笑いが漏れると、青八木先輩も目を細めて口元を綻ばせてくれる。

そっか。

いつも『大丈夫』って言ってくれていたのも母心だったんだね。



「今は･･･か。まあ、その言葉も姫さんにゃ伝わってなさそうだな」

「新開さん。･･･はは。俺ももしかすると母親っぽくなってしまっていたんでしょうね」

「泉田。おめさんも無自覚か。まだまだ青いね」

「はい？」

「いや、いい。こっちの話だ」



新開さんと泉田さんも保護者枠になりたかったのかな？

そういえばパパ枠は金城先輩がいる気がするし、兄枠はにいさまがしてくれている。

やっぱり私はまだまだお子ちゃまということなんだろうなぁ。



「私、はやく心も体も育って、皆さんが安心してくださるくらい大人になりますね」

「･･･いや、それは心配が増えるから、ならなくていいと思う。逆に安心出来なくなるからな」

「えぇぇ･･･。福富さんまで･･･」

「す、すまない･･･のか？」



そんな会話をしていると、鳴子くん、小野田くん、真波くんがにこにこしながら大きな袋を抱えて合流した。

どうして嬉しそうなんだろうと疑問に感じていると、真波くんと目が合う。



「姫ちゃん！今日は合宿最後の夜だから、みんなで花火しようってことでね。女将さんが花火用意してくれたんだよ！旅館の送迎車とかは表の駐車場に回したから裏の広場使っていいって！」

「花火･･･っ。わ、私、花火初めてかも」

「そうなんか！大阪の問屋街じゃ年中花火売ってるんやで！ワイがいつでも取り寄せたるから、またやろうな！」

「うんっ。ありがとう。東堂さんのママさんにもお礼言わないとね」



みんなで花火。

楽しみだなぁ。

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