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私の質問に不意を突かれたのか、東堂さんは目をパチパチと瞬くと、フイと視線を逸らした。
「べ・・・別に嫌というわけではない。ただ・・・」
「た・・・ただ・・・?」
やっぱりとんでもなく深刻な理由があるのかもしれない。
私が聞いちゃっていいことじゃないかもしれないし・・・。
「あ、あの・・・。やっぱり・・・」
「こやつは俺のファンを奪うのだ!!」
「・・・・はい?」
今度は私が瞬く番だった・・・。
東堂さんは、それはそれは熱く語ってくれたけど・・・、要するに、東堂さんから見ると長澤さんはとても爽やかでイケメンな笑顔で、東堂さんの実家であるこの旅館まで押しかけてくるファンの女の子を虜にしていくそうだ。
長澤さんから補足が入ると、旅館の敷地内にまで入り込むファンの女の子に、従業員として敷地外に出て貰うようにお願いしているんだそう。
その時に東堂さんのファンだから角が立たないようにと、それはそれは気を遣ってにこやか&柔らかな対応をしているらしく、その素敵笑顔で東堂さんのファンから長澤さんのファンにシフトしてしまうのだという・・・。
ふ・・・深いような、浅いような・・・そんな理由で東堂さんは長澤さんを毛嫌いするようになったのだそうで、長澤さんからしてみれば理不尽極まりない理由で嫌われている。
「姫も俺よりも、こやつがいいと思うのか・・・?」
「ふぇ・・・?いえ、私は何とも・・・」
なんだか東堂さんが捨てられた子犬のような目で私を見ている・・・。
長澤さんも嫌われていることに寂しいという目をしているけど、じゃあさっきの煽るような笑顔は何だったのかな?
うー・・・ん。あ、そっか・・・みんなが長澤さんに傾いていっちゃうから東堂さんは不安なんだ。
「私は・・・東堂さんと長澤さんが仲良しさんだと嬉しいし、そんなお2人を見れたらいいなって思います・・・」
「ふむ・・・。俺とこやつが仲良しさんとやらになれば、姫は安心して見れるというのだな?」
私が頷くと、東堂さんは『善処しよう』と言い、長澤さんは嬉しそうに微笑んだ。
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瑠璃色の夢(プロフ) - ダリアさん» いつも感想ありがとうございます^^こんなに遅い時間にまで読み進めてくださっていたのだと感動してしまいました★毎日1話更新しておりますのでご無理なさらず読んでくださると嬉しいです♪今後ともよろしくお願いいたします(*^^*)因みにこの時間が執筆構想時間です★ (2019年8月14日 1時) (レス) id: 86b4dd6b0b (このIDを非表示/違反報告)
ダリア - 今回のお話では涙目になってしまうシーンがあったり、ほわほわするお話もあってとっても楽しめました♪次も頑張って下さいね! (2019年8月14日 1時) (レス) id: 7c4b8b3529 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃色の夢(プロフ) - az☆azさん» 嬉しい感想ありがとうございます^^弱虫姫箱学偏も楽しそうですね♪この小説が落ち着いたら書いてみたいと思います!今後も頑張っていきますのでよろしくお願いいたします^^ (2019年7月14日 23時) (レス) id: 86b4dd6b0b (このIDを非表示/違反報告)
az☆az(プロフ) - とっても面白いです!箱学として通ってる姫も読んでみたいです!お時間の方があればよろしくお願いしますm(_ _)m更新頑張ってください! (2019年7月14日 23時) (レス) id: 22cdeb44e5 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃色の夢(プロフ) - 猫柳さん» 嬉しいコメントありがとうございます^^とても励みになります♪毎日更新頑張りますので今後ともよろしくお願いいたします^^ (2018年12月29日 1時) (レス) id: 86b4dd6b0b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:瑠璃色の夢 | 作成日時:2018年12月14日 0時