４８ ページ48
長澤さんとお話していると時間はあっという間に経っていて、みんなが一斉に帰ってきた。
私の隣りにいた長澤さんを見た東堂さんが慌てて駆け寄ってきたけど、その表情は厳しいもので不思議に思う。
東堂さんは私の両肩を掴むとグラグラと揺らす。
「姫っ！何かされなかったか！？大丈夫なのだなっ！？」
「ひゃ･･･っ！？え？あ、あの。は、はいっ。長澤さんにアイスご馳走になって、待っている間、お話し相手になってくださっていただけで･･･」
「なっ！？もう名前を覚えてしまったのか！？今すぐ記憶の彼方に飛ばしてしまわぬか！今すぐに！」
「えぇぇ･･･っ？」
東堂さんの様子がおかし過ぎてどうすればいいのか分からないんだけど･･･。
オロオロしていたら、私の肩に置いてある東堂さんの腕に長澤さんが手を置いた。
「駄目じゃないか甚八くん。クリスさんは怪我をしているんだから、あまり揺らすと怪我に響くよ。ね？」
「くっ。この笑顔で姫を誑かしたのだな･･･？姫、騙されるでないぞ！」
長澤さんのにっこりとした笑顔は、私が無害だと感じた爽やかな笑顔ではない気がした。
私とお話していた長澤さんは、優しくて、爽やかで、自転車が大好きだと素敵な笑顔で笑う人だったけど、東堂さんの前だと･･･なんていうか、感情をワザと煽る笑顔というか･･･なんだろう？
実はこの２人、とても仲が悪かったりするのかな･･･？
でも東堂さんのお話をする長澤さんは、お兄さんみたいに嬉しそうだったはずなんだけど･･･。
「姫って呼ばれてるんだね。俺もそう呼んじゃおうかな？いい？」
「え･･･っ？あ、は、はいっ」
「っ！？ならぬっ！それはならぬぞ！！姫も少しは嫌がる素振りをみせんか！」
「えぇぇ･･･っ？」
どうしたって東堂さんは長澤さんのことが気に入らないという態度だ･･･。
もしかしてとんでもない理由があったりするんだろうか。
「東堂さんは･･･長澤さんのこと、嫌ですか？」
どうしても『嫌いですか？』とは聞けなかった･･･。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 135人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「愛され」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
瑠璃色の夢(プロフ) - ダリアさん» いつも感想ありがとうございます＾＾こんなに遅い時間にまで読み進めてくださっていたのだと感動してしまいました★毎日１話更新しておりますのでご無理なさらず読んでくださると嬉しいです♪今後ともよろしくお願いいたします(*^^*)因みにこの時間が執筆構想時間です★ (2019年8月14日 1時) (
レス) id: 86b4dd6b0b (このIDを非表示/違反報告)
ダリア - 今回のお話では涙目になってしまうシーンがあったり、ほわほわするお話もあってとっても楽しめました♪次も頑張って下さいね！ (2019年8月14日 1時) (レス) id: 7c4b8b3529 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃色の夢(プロフ) - az☆azさん» 嬉しい感想ありがとうございます＾＾弱虫姫箱学偏も楽しそうですね♪この小説が落ち着いたら書いてみたいと思います！今後も頑張っていきますのでよろしくお願いいたします＾＾ (2019年7月14日 23時) (レス) id: 86b4dd6b0b (このIDを非表示/違反報告)
az☆az(プロフ) - とっても面白いです！箱学として通ってる姫も読んでみたいです！お時間の方があればよろしくお願いしますm(_ _)m更新頑張ってください！ (2019年7月14日 23時) (レス) id: 22cdeb44e5 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃色の夢(プロフ) - 猫柳さん» 嬉しいコメントありがとうございます＾＾とても励みになります♪毎日更新頑張りますので今後ともよろしくお願いいたします＾＾ (2018年12月29日 1時) (レス) id: 86b4dd6b0b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：瑠璃色の夢 | 作成日時：2018年12月14日 0時
