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長澤さんは手に持っていたアイスの蓋を開けて、視線をアイスに固定しながら言う。



「ああ、すみません。見すぎてしまいましたね」

「あ、あの。普通に・・・敬語でなくていいです・・・。年上の人に敬語でお話されちゃうと、緊張してしまうので・・・」

「・・・そう?そう言って貰えると助かる。実は俺も敬語は苦手なんだ。元々体育会系だからかな。俺も中学と高校の時にロードしていて、部活には入っていなかったんだけど、地元のクラブに所属してたんだ」



そう言ってニッと爽やかに笑う長澤さんの言葉に驚いて顔を上げると、さっきまでの営業スマイルではなく、少年のような笑顔だった。

にいさまと同じくらいの年齢だと思う。



「長澤さんは、東堂さんと同じクライマーさんですか?」

「いや、俺はタッパもあるしガッチリしているからね。スプリンターだった。甚八くんによくクライムに付き合わされたから山も不得意ではないけれどね。あ、旨いね。このアイス」

「ふふ。そうですね」



どうやら長澤さんは、みんなが戻ってくるまでお話に付き合ってくれるらしい。



「俺ね。初日クリスさんを見かけて。クリスさんのような女の子が男子高校生と混ざって自転車に乗るのって難しいんじゃないかなって思って、心配だったんだけどね。なんだか見ていて楽しそうだし、他の子もクリスさんには気配り出来ているように見えたから、応援したくなった」

「え・・・」

「何も知らない癖に何様だよって感じだよな。はは。でも昨日怪我して帰ってきたから、気になっちゃってたんだ。女将さんは、自転車に怪我は付き物だから彼女は大丈夫よ。そう言ってたんだけどね」



長澤さんは苦笑いしながらアイスを食べて、また『うまい!』と言う。



「心配してくださって、ありがとうございます」

「ん?ううん。俺が勝手にしてただけだよ」



なんだか私は知らない間にいろんな人に心配をかけているみたいで申し訳なく思うけど、応援したくなったと言って貰えて、素直に嬉しいと思った。

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作品ジャンル:恋愛
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瑠璃色の夢(プロフ) - ダリアさん» いつも感想ありがとうございます^^こんなに遅い時間にまで読み進めてくださっていたのだと感動してしまいました★毎日1話更新しておりますのでご無理なさらず読んでくださると嬉しいです♪今後ともよろしくお願いいたします(*^^*)因みにこの時間が執筆構想時間です★ (2019年8月14日 1時) (レス) id: 86b4dd6b0b (このIDを非表示/違反報告)
ダリア - 今回のお話では涙目になってしまうシーンがあったり、ほわほわするお話もあってとっても楽しめました♪次も頑張って下さいね! (2019年8月14日 1時) (レス) id: 7c4b8b3529 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃色の夢(プロフ) - az☆azさん» 嬉しい感想ありがとうございます^^弱虫姫箱学偏も楽しそうですね♪この小説が落ち着いたら書いてみたいと思います!今後も頑張っていきますのでよろしくお願いいたします^^ (2019年7月14日 23時) (レス) id: 86b4dd6b0b (このIDを非表示/違反報告)
az☆az(プロフ) - とっても面白いです!箱学として通ってる姫も読んでみたいです!お時間の方があればよろしくお願いしますm(_ _)m更新頑張ってください! (2019年7月14日 23時) (レス) id: 22cdeb44e5 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃色の夢(プロフ) - 猫柳さん» 嬉しいコメントありがとうございます^^とても励みになります♪毎日更新頑張りますので今後ともよろしくお願いいたします^^ (2018年12月29日 1時) (レス) id: 86b4dd6b0b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:瑠璃色の夢 | 作成日時:2018年12月14日 0時

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