検索窓
今日:12 hit、昨日:78 hit、合計:188,024 hit

42 ページ42

巻島side


俺は小さい人間っショ。

女の泣き顔、否、姫の泣き顔はなるべくなら見たくはないと思っている。

だから俺は金城が声を掛けたことに気づいていながら見ない振りをした。

なのに、金城が姫を抱き込んだのを薄っすらと視界に入れた瞬間に黙っていられなくなっちまったっショ・・・。


姫を真ん中に小さな手を繋いで横になると、姫が消えそうな声で謝った。

昼間、姫が襲われたと聞いた時には、心臓が凍りついたかと思うほど、体が冷たくなっていくのを感じて、大切なものを奪われるとはこういう気持ちになるのかと思った。

姫と手を繋ぐと俺は自分の気持ちが抑えられなくなりそうになる。


手嶋と青八木は昨日、こんな気持ちで眠ったのか・・・?

あいつらも、俺と同じ感情を持っているのは見ていて分かるっショ。

なら、田所っちと金城はどうなんだ・・・?

田所っちは分からないが、金城は何とも思っていない相手に対して、抱きしめたり出来るような奴でないのは分かる。

なら・・・まあ、そういうことなんっショ・・・。


姫、あまり俺を信用してくれるな。

傷つけたりはしたくないし、するつもりはないが・・・信用され過ぎると、さすがに辛い。

自分の気持ちを抑え込んで、姫の信じるままのいい先輩を演じたくなる。


姫の寝息を聞いて、金城も安心出来たのか目を閉じたのを確認してから、姫の安らかな寝顔を見つめた。


以前姫と家族の話をしたことがあった。

俺は卒業式を待たずにイギリスへ行くことになるだろうが、それはまだ話していない。

けど、姫の父親の兄がフランスにいるのだと聞いたことがある。


イギリスとフランスとの距離はたかだか数十kmほどで、日本の本島の半分ほどの距離も無い。

日本とイギリスは地球の4分の1程も離れているが、フランスに姫が来ることになるならいつでも姫とは会える。

そんなことを考えて何になるんだと思うが、もし姫が俺を好きになってくれたなら・・・。

俺はもう遠慮はしない。


その時は俺が・・・って・・・俺は、馬鹿っショ。

43→←41



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (1246 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
135人がお気に入り
設定タグ:弱虫ペダル , 愛され , 逆ハー   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

瑠璃色の夢(プロフ) - ダリアさん» いつも感想ありがとうございます^^こんなに遅い時間にまで読み進めてくださっていたのだと感動してしまいました★毎日1話更新しておりますのでご無理なさらず読んでくださると嬉しいです♪今後ともよろしくお願いいたします(*^^*)因みにこの時間が執筆構想時間です★ (2019年8月14日 1時) (レス) id: 86b4dd6b0b (このIDを非表示/違反報告)
ダリア - 今回のお話では涙目になってしまうシーンがあったり、ほわほわするお話もあってとっても楽しめました♪次も頑張って下さいね! (2019年8月14日 1時) (レス) id: 7c4b8b3529 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃色の夢(プロフ) - az☆azさん» 嬉しい感想ありがとうございます^^弱虫姫箱学偏も楽しそうですね♪この小説が落ち着いたら書いてみたいと思います!今後も頑張っていきますのでよろしくお願いいたします^^ (2019年7月14日 23時) (レス) id: 86b4dd6b0b (このIDを非表示/違反報告)
az☆az(プロフ) - とっても面白いです!箱学として通ってる姫も読んでみたいです!お時間の方があればよろしくお願いしますm(_ _)m更新頑張ってください! (2019年7月14日 23時) (レス) id: 22cdeb44e5 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃色の夢(プロフ) - 猫柳さん» 嬉しいコメントありがとうございます^^とても励みになります♪毎日更新頑張りますので今後ともよろしくお願いいたします^^ (2018年12月29日 1時) (レス) id: 86b4dd6b0b (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:瑠璃色の夢 | 作成日時:2018年12月14日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。