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私の口を瞬時に手で押さえて塞いでいたのは荒北さんだった。
真後ろから抱き込まれるように塞がれた口をそのままに、驚いて真上を見上げると、荒北さんが真っ赤な顔で眉を寄せている。
「ば、バァカじゃねぇのっ!?それ、言っちゃ駄目なやつだろ!って、そのなんで?って顔やめろ」
あれ・・・?
荒北さん、もしかして・・・照れてる・・・?
朝、優しくすると言ってくれていた通り不機嫌な感じはしないけれど・・・。
「荒北の俺への評価が思っていた以上に高かったな。素直に嬉しいと思う」
「だああぁぁっ!福ちゃん!真面目に返さんでいいんだよ!!やめれ!」
2人のやり取りを微笑ましく感じていると、隣りの新開さんがククっと喉の奥で笑う。
「靖友は素直じゃないからね。姫さんにそんなアドバイスをしていたことには驚いたよ」
「ち、ちげぇっ。・・・つーか。こいつは小せぇことで悩むからな。俺の知ってる奴で真面目なんが福ちゃんだけだったから例にあげただけだっつーの・・・」
「なるほどね。じゃあ、そろそろ解放してあげた方がいいんじゃないかな?姫さんが食事出来ないだろうから」
「ああ?あー・・・。悪い。傷に触れちまったか?」
「ぷぁ・・・。いえ。大丈夫です。箱学の3年生もみんな仲良しさんですね」
私はやっと解放されたから、思ったことを言うと、荒北さんも新開さんも福富さんも、きょとんとした後、急に笑い出してしまった。
「ははは。姫さんにはお見通しってわけだ」
「ふっ。仲良しさんか。そうかもしれないな」
「はは・・・。てめぇには適わねぇわ」
「えぇ・・・?」
3人の楽しそうな顔を見て、よく分からないけれどまあいいかと思ってしまった。
新開さんと福富さんにごはんを手伝って貰ったけど、本当にスポーツする人はよく入るなぁ。
無理していないといいんだけれど・・・。
ママさんがつけてくれたアイスはイチゴのアイスで、とても美味しい。
じっと見られていたから欲しいのかと思って福富さんにあーんしたら食べてくれたけど目が泳いでいた。
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瑠璃色の夢(プロフ) - ダリアさん» いつも感想ありがとうございます^^こんなに遅い時間にまで読み進めてくださっていたのだと感動してしまいました★毎日1話更新しておりますのでご無理なさらず読んでくださると嬉しいです♪今後ともよろしくお願いいたします(*^^*)因みにこの時間が執筆構想時間です★ (2019年8月14日 1時) (レス) id: 86b4dd6b0b (このIDを非表示/違反報告)
ダリア - 今回のお話では涙目になってしまうシーンがあったり、ほわほわするお話もあってとっても楽しめました♪次も頑張って下さいね! (2019年8月14日 1時) (レス) id: 7c4b8b3529 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃色の夢(プロフ) - az☆azさん» 嬉しい感想ありがとうございます^^弱虫姫箱学偏も楽しそうですね♪この小説が落ち着いたら書いてみたいと思います!今後も頑張っていきますのでよろしくお願いいたします^^ (2019年7月14日 23時) (レス) id: 86b4dd6b0b (このIDを非表示/違反報告)
az☆az(プロフ) - とっても面白いです!箱学として通ってる姫も読んでみたいです!お時間の方があればよろしくお願いしますm(_ _)m更新頑張ってください! (2019年7月14日 23時) (レス) id: 22cdeb44e5 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃色の夢(プロフ) - 猫柳さん» 嬉しいコメントありがとうございます^^とても励みになります♪毎日更新頑張りますので今後ともよろしくお願いいたします^^ (2018年12月29日 1時) (レス) id: 86b4dd6b0b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:瑠璃色の夢 | 作成日時:2018年12月14日 0時