３４ ページ34
東堂ママさんは私の何も無い幼児体型を見て、更に過保護になった気がする･･･。
もう女の子扱いではなく、子ども扱いだ。
包帯を巻き直してもらった後、お風呂上りには突然だっこされて、慌てて断ったけれど甚八の子供の時を思い出すわぁと嬉しそうに語られてしまい断念した。
女の人なのに力持ちだと思った･･･。
女湯の暖簾を潜ったところで鳴子くんと鉢合わせして、思わず手を伸ばして助けを求めてみたら、鳴子くんは引き攣った笑顔でママさんと対峙する。
「東堂さんのおかん･･･やなかった！女将さん。ワイちょっと姫に用があるんやった。ちょいと姫を置いてってんかぁ」
「あら･･･。残念だわ･･･。そうだわ。今日はお夕食の時にアイスを付けるわね。楽しみにしていてね」
ママさんは鳴子くんに私を抱き渡すと残念そうに何度も振り返りながら行ってしまった。
私は鳴子くんの腕の中、胸に頭を預けてくてりと力を抜く。
「･･･うー･･･。鳴子くん。ありがとうぅぅ･･･っ」
「パワフルなおかんやなぁ･･･。姫の悲鳴、男湯にまで響いとったで･･･」
「えぇぇ･･･。私、またみんなの楽しい時間を邪魔しちゃったんだね･･･」
鳴子くんの体はお風呂上りだからホカホカで体温が高くて気持ちがいい。
って、落ち着いちゃ駄目だよね･･･。
「鳴子くん。ありがとう。もう大丈夫だよ」
「ん？そうか？んー･･･。あかん。ワイここ数日、姫分が足りてへんのや。だからこのままレッツゴーやで」
「ひ、姫分･･･？」
「ほら、水分とか、糖分とか、体に足りてへん物のことや！ワイには今、姫分が足りてへんから、今はぴったんこしといてや！」
そう言ってニカッと笑顔で私を見下ろした鳴子くんが可笑しくて、私は『変なの』と言いながら笑ってしまった。
ぴったんこ･･･可愛い言い回しだ。
「うん。ぴったんこしてる」
「っ！せやな！ぴったんこ大事やな！」
やっぱり鳴子くんといると元気になれちゃうね。
今日起きた出来事も一瞬忘れることが出来たよ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 135人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「愛され」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
瑠璃色の夢(プロフ) - ダリアさん» いつも感想ありがとうございます＾＾こんなに遅い時間にまで読み進めてくださっていたのだと感動してしまいました★毎日１話更新しておりますのでご無理なさらず読んでくださると嬉しいです♪今後ともよろしくお願いいたします(*^^*)因みにこの時間が執筆構想時間です★ (2019年8月14日 1時) (
レス) id: 86b4dd6b0b (このIDを非表示/違反報告)
ダリア - 今回のお話では涙目になってしまうシーンがあったり、ほわほわするお話もあってとっても楽しめました♪次も頑張って下さいね！ (2019年8月14日 1時) (レス) id: 7c4b8b3529 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃色の夢(プロフ) - az☆azさん» 嬉しい感想ありがとうございます＾＾弱虫姫箱学偏も楽しそうですね♪この小説が落ち着いたら書いてみたいと思います！今後も頑張っていきますのでよろしくお願いいたします＾＾ (2019年7月14日 23時) (レス) id: 86b4dd6b0b (このIDを非表示/違反報告)
az☆az(プロフ) - とっても面白いです！箱学として通ってる姫も読んでみたいです！お時間の方があればよろしくお願いしますm(_ _)m更新頑張ってください！ (2019年7月14日 23時) (レス) id: 22cdeb44e5 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃色の夢(プロフ) - 猫柳さん» 嬉しいコメントありがとうございます＾＾とても励みになります♪毎日更新頑張りますので今後ともよろしくお願いいたします＾＾ (2018年12月29日 1時) (レス) id: 86b4dd6b0b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：瑠璃色の夢 | 作成日時：2018年12月14日 0時
