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東堂side
美しくない・・・美しくないぞ・・・っ!
食堂を出て俺は校舎裏に早足で向かった。
姫がいなくなったと食堂で話し合っていたのがついさっきの事だった。
総北の2年の青八木が怪我をした姫を連れてきた時には肝が冷えたが、今は胸の奥がチリチリと痛い。
姫のレースジャージも、青八木のジャージにも血が滲んでいたが、あれは明らかに姫の血だろう。
こんなやり方で俺のお気に入りを傷つけられて、黙ってなどいられるはずもないだろう!
女子に・・・しかもあの華奢な小さな体に・・・あの愛らしい美しい顔に手を上げるとは・・・ならん・・・あってはならん事だ!
校舎裏に行くと、新開が壁際に男子生徒2人の頬を片手ずつ掴んで押し付けているところだった。
地に響く低い声が聞こえてくるが、俺は足を緩めること無く近づいていく。
「・・・さぁ、早く選んでよ?どれがいい?選択肢、好きだろう?」
「・・・!・・・・っ!!」
あの馬鹿力でがっつりと顔を掴まれていては声を出すことも難しいだろう。
「その選択肢とは、連れ去られるか、キスをするかという馬鹿げたものなのだろう?」
「・・・甚八?・・・・・。そうか、そうだったんだね。それじゃあ姫さんも選べるはずもない」
俺の存在に気づいた新開は、横目で俺を見た後、また2人に視線を戻した。
・・・これは、うむ・・・激しく切れているな。
この2人が未だに無傷なのが信じられぬくらいだ。
「新開。どうするつもりだね?この虚け者たちを」
「さあ?俺の出した選択肢を選ばないらしいからね。どうしたものかと思っていたんだ」
「では第三者の俺が提案してやろうではないか。お前たちもずっと馬鹿力で掴まれていたくはないだろう?」
俺がそう言うと、新開の馬鹿力に参っていたのか必死に首を縦に振ろうともがいているが、本当に美しくない。
「では、何事もまず謝罪だな!・・・しかし、お前達だけで行かせるのは姫も不安であろう。俺たちが着いて行ってやろうではないか」
そう言うと、新開は苦い顔をした。
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瑠璃色の夢(プロフ) - ダリアさん» いつも感想ありがとうございます^^こんなに遅い時間にまで読み進めてくださっていたのだと感動してしまいました★毎日1話更新しておりますのでご無理なさらず読んでくださると嬉しいです♪今後ともよろしくお願いいたします(*^^*)因みにこの時間が執筆構想時間です★ (2019年8月14日 1時) (レス) id: 86b4dd6b0b (このIDを非表示/違反報告)
ダリア - 今回のお話では涙目になってしまうシーンがあったり、ほわほわするお話もあってとっても楽しめました♪次も頑張って下さいね! (2019年8月14日 1時) (レス) id: 7c4b8b3529 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃色の夢(プロフ) - az☆azさん» 嬉しい感想ありがとうございます^^弱虫姫箱学偏も楽しそうですね♪この小説が落ち着いたら書いてみたいと思います!今後も頑張っていきますのでよろしくお願いいたします^^ (2019年7月14日 23時) (レス) id: 86b4dd6b0b (このIDを非表示/違反報告)
az☆az(プロフ) - とっても面白いです!箱学として通ってる姫も読んでみたいです!お時間の方があればよろしくお願いしますm(_ _)m更新頑張ってください! (2019年7月14日 23時) (レス) id: 22cdeb44e5 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃色の夢(プロフ) - 猫柳さん» 嬉しいコメントありがとうございます^^とても励みになります♪毎日更新頑張りますので今後ともよろしくお願いいたします^^ (2018年12月29日 1時) (レス) id: 86b4dd6b0b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:瑠璃色の夢 | 作成日時:2018年12月14日 0時