弱虫姫奮闘記―癒しの姫君【弱虫ペダル】【第４期】

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「東堂･･･。そういう突飛な行動は姫が怖がるんだ。もう少し丁寧に扱えっショ･･･」

「何を言う、巻ちゃんっ！この俺に抱かれて喜ぶ女子はいても、嫌がる女子などいないというのに･･･。姫とやらはまだ心も体も子供なのだな」

「やらしい言い方すんなっショ･･･はぁ･･･」



うぅ･･･驚き過ぎた時の生理的な涙は仕方ない･･･。

巻島先輩を解放するために下ろしてもらったところで、また東堂さんが腕を広げてきて、また巻島先輩の方へ助けを求めそうになった時に、何故か東堂さんの姿が見えなくなって、目の前に大きな背中が･･･。

あ、サラサラの黒髪･･･もしかして･･･。



「たくっ。てめぇはよぉっ！勝手にいなくなってんじゃねぇよ！福ちゃんに頼まれて仕方なく探してやったけど、次はねぇかんなっ！･･･総北との合同合宿だなんて聞いてねぇぞコラっ！しかもこいつをまた怖がらせてんじゃねぇか･･･！バァカチャンがっ！」

「･･･もしかして、あ･･･荒北･･･さん･･･ですか･･･？」



恐る恐るその背中に声をかけると、サラリと風を受けた真っ黒なショートの髪を遊ばせて、あの不機嫌そうな顔が覗く。

本当に荒北さんだ･･･っ！

また会えたことが嬉しくて、笑顔になったけど、目に溜まっていた涙がぽろりと零れた。



「っ。･･･よぉ。まぁた東堂に泣かされたのかよ･･･ったく･･･。猫姫」

「荒北さん･･･っ。えと、あの。また会えて嬉しいです」

「･･･っ。そ、そうかよ」



私たちの会話に不思議そうな顔をしているのは、県大会予選を見に行っていなかった田所先輩、手嶋先輩、青八木先輩、そして１年生の小野田くん、今泉くん、鳴子くん、杉本くんだ。

特に驚いているのは箱根学園の自転車競技部の人だと気づいている田所先輩と手嶋先輩と青八木先輩だった。

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