弱虫姫奮闘記―癒しの姫君【弱虫ペダル】【第４期】

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箱学の練習コースを一周して、二周目に入った平坦で一息ついてパワーバーを食べて水分補給をしていると、泉田さんが下がってきて隣りに並んだ。



「･･･大丈夫ですか？少し疲れているようですが」

「は、はい。大丈夫です」



慌てて返事を返すと、金城先輩が泉田さんに･･･。



「泉田。姫は心肺機能がしっかりしている。瞬発力は無いがその分ロングライド向きだ。いつもこれくらいなら着いてこれるぞ」

「なるほど。それなら安心ですね･･･。ですが今からはスピードも上げていきます。もし着いてこれない場合は、迷子になったりしませんか？」

「ま･･･迷子･･･。えっと、もし１人になって道が分からなくなっちゃったら、私、止まって待って、みなさんがまた来るの待ってますっ。だから、皆さんは気にせず頑張ってください･･･っ」



情けないけど、アレは出来ないし、着いていけない場合は迷惑かけないように頑張るしか出来ない。

私、本当に役立たずだなぁ･･･。

弱気にならない、精一杯頑張る･･･今はそれだけだ。



「･･･いいでしょう。そういう潔さは好ましいと思います」

「えっと･･･。ありがとう、ございます･･･？」

「姫。大丈夫だ。俺が引こう。･･･着いてこい」

「は、はいっ。精一杯、頑張ります･･･っ」



金城先輩が前に出てくれて、引いてくれると泉田さんが不思議そうな顔をした。



「金城さん。コースを見たでしょう？このコースは平坦も登りもあるんです。ずっと彼女を引いていては、貴方は全力を出せない。それで貴方の練習になるんですか？」

「なる。総北は支え合うチームだからな。全員でやり遂げる。これが俺たちの強さだ」



金城先輩･･･ありがとうございます･･･。

私、頑張って着いて行きますね。



「･･･なるほど。そういうことか。なら平坦は俺が引いてやる。俺の方が風除けになるからなっ！」

「そんじゃ。登りは俺に任せるっショ」

「田所先輩･･･。巻島先輩･･･っ」



そういえば、私、３年の先輩たちと走るのは初めてだった。

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