弱虫姫奮闘記―癒しの姫君【弱虫ペダル】【第３期】

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「･･･姫は、レースに出たいか？」

「え･･･？」

「男の中で走るのは、精神的にも、体格差的にも負担が大きい。それでもレースに出たいと思うか？」


確かに先輩たちと、私とでは体格も違うし、気弱な私が男の人たちの中で走ることは大変なことなんだと思う。

でも･･･。


「･･･1人では。多分、無理だと思います･･･。完走さえ出来るかどうか･･･」

「ああ、そうかもしれない」

「･･･っ。で、でも、先輩や、みんなが一緒なら、わ、私っ。頑張りたい･･･。みんなと一緒に、チームの仲間として、走りたい･･･です」


最後は尻すぼみになってしまった言葉を金城先輩は聞き逃さなかった。


「分かっている。総北は支え合うチームだからな」

「え･･･。私、レースに出て、いいんですか･･･？」

「姫は誰よりも真面目に練習にも取り組み、センスもバランスも良い。脚質はスプリントにもクライムにも特化してはいないが持久力もある。心肺機能が優れているからな。問題をあげるとすればただ1つ、経験が足りていない」

「経験･･･」

「そうだ。レースでは一分一秒で状況が変わり、その都度、頭の中で状況を考えながら走らなければならない。それはレースを何度も経験しているからこそ出来る判断もあるということだ。」

「は、はい」

「姫はその経験が無い。それは状況が変わった時の動揺に繋がり、混乱すれば正しい判断が出来なくなる。その経験を補う為には、やはりレースに出来るだけ多く出る方がいいと思っている」

「わ、私が、レースに･･･」


うわぁ･･･うわあぁぁ･･･っっ。

どどどどうしようっ！！

すごく大変なことなんだよね･･･？


･･･だけど、ウェルカムレースの時のように、ドキドキしたり、楽しかった気持ちを思い出してしまう･･･。

私、また先輩たちと走りたいって思ってる。


「き、金城先輩。私･･･。どこまで出来るか全然分かりませんけど、で、でも。出てみたい、･･･ですっ」

「･･･そうか。ふっ。安心しろ。1人では出さない。姫が走りたいと願うなら、おれは総北の主将として全力でサポートしよう」

「は、はい･･･っ。ありがとうございますっ！」


運動音痴の私が、みんなの役に立てるなんて夢のようだと思う。

自転車って本当に凄い！

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