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車での移動中、ふと手嶋先輩を見上げると、先輩は『ん？』と首を傾げてくれたので、私は考えていたことを聞いてみることにした。
「手嶋先輩。３年生が引退したら、手嶋先輩と青八木先輩と古賀先輩が私たち１年生を教えてくれたりするのですよね･･･？」
「うん？ああ、そうなるな。３年生みたく上手く導いてやれるか分からないけどな」
「手嶋先輩は小野田くんの指導をすることになるのですか？クライマーですし･･･」
「まあ、そうなるだろうな。あいつみたいな才能俺には無いし、巻島さんみたいな独特なスタイルも無いし、平凡な俺がどこまで導いてやれるか･･･だな」
そっか、手嶋先輩はずっと自分のことを平凡だと思っているんだ。
私から見たら、みんなを引っ張っていけるムードメイカーで、努力の天才で、全然平凡なんかじゃないんだけどなぁ･･･。
「私、今まではこの足で、迷惑かけちゃうくらいなら離れた方がとか、マイナスなことばかり考えていましたけど･･･」
「うん。姫はそうだよな。俺たちがそんなこと無いと言ってもきっと俺たちの負担になるんじゃないかって考えちまうよな」
「ぅ･･･。はい。でも３年生ともう走れないって考えた時に思ったのです･･･。せめて手嶋先輩たちとはもう一度ちゃんと走りたいって･･･」
そうだよ。
一緒に走るためには、まずは弱音を吐かないようにしないと。
前向きにならないとリハビリだって頑張れないんだから。
ぎゅっと膝の上に置いていた手を握ると、手嶋先輩が私の手の上に手を重ねてくれる。
隣りの先輩を見上げると、ニカっと太陽のような笑顔を見せてくれた。
「１人で頑張らなくていいからさ。俺たちにも手伝わせろって」
「･･･っ。あ、りがとう、ございます･･･っ」
いつだってそうだ。
私が負けそうになったとき。
頑張ろうと思うとき。
いつだって欲しい言葉をくれて、優しく一歩を踏み出すためにそっと背中を押してくれるんだ。
「もうすぐ給水ポイントだぞ」
にいさまの声で、私は顔をあげる。
さあ、３年生の最後のレース。
ちゃんと見届けなくちゃ････っ！
続く (更新停止中)
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よもぎ杏(プロフ) - うわぁぁぁぁあああああなんで今こんな神小説に出会ってしまったんだろう、、夢主可愛い。更新停止してる......復帰して欲しい。気長に待ってます。 (2022年10月16日 19時) (
レス) id: 3c2e0a45eb (このIDを非表示/違反報告)
ダリア - 色々言いたい事(感想)はあるんですけど、とりあえず、皆尊い!!好きです。(唐突) 更新、待ってます! (2022年9月15日 2時) (レス) @page24 id: d57692a101 (このIDを非表示/違反報告)
恭也 - 更新頑張ってください!!青八木さんと手嶋さんが3年になって、インターハイに出場するところ。早く読みたいです!更新、待ってます。 (2021年8月10日 21時) (レス) id: d15eb96a1c (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃色の夢(プロフ) - ゆゆさん» 嬉しい感想ありがとうございます＾＾そう言っていただけてとても励みになります♪頑張って更新続けますので今後もよろしくお願いいたします(*^^*) (2021年1月26日 20時) (レス) id: ef139e1273 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ(プロフ) - 最近読み始めてハマりました！これからも頑張ってください！ (2021年1月26日 20時) (レス) id: 861ee0d781 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：瑠璃色の夢 | 作成日時：2020年8月14日 11時
