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カイは慌ててるうに問いかけました。
「あ。るうは竜族ではないのですから、他に味の好みがあって当たり前なのです。るうの好みはどういったものですか?コック長に頼んで作ってもらいましょう」
「で、でも。せっかく、ちゅくってくれた、でしゅ。それに、おしおのあじ、きらいじゃ、ないでしゅ」
「ああ・・・。るう様。なんてお優しい・・・っ。ですが、るう様。新しい味や料理に挑戦するのはコック長の料理意欲を掻き立てるのですよ。ですから遠慮なさらないでください」
本当にるうはいい子ですねと頭を撫でられながら、るうはナミが熱く語るのをコクコクと頷いて聞いていたのですが、どんな味が好みかと問われると口で説明は難しいのです。
うんうん悩んでいるるうに助け舟を出したのは、隣りの席で微笑ましそうにその姿を見ていたカイでした。
「では、いろんな種族の郷土料理などを食してみたらいかがですか?るうが好む味付けが見つかるかもしれませんよ?」
「まあっ。カイ。あなたにしては良い案ね。るう様。その案、わたくしもいいと思います」
カイとナミはるうにニコニコと問いかけてくれたので、るうもそうかもしれないとコクコクと頷いて了承しました。
ですが今のコック長が竜族の人なのだとしたら、そのコック長に迷惑がかかってしまうのではないかと心配になりました。
「こっく、しゃん。めいわきゅ、ちがう、でしゅか?」
「もう、なんてお優しいのっ。私こんなにお優しいルナー様に仕えることが出来て幸せものです!」
「ふふ。ずるいですね。私もるうをこの腕に閉じ込めてしまいたいというのに」
ナミは悶えそうになるのを耐え切れず、るうをきゅうっと抱きしめながらも、実の弟であるカイを牽制するという器用な技をお披露目したのでした。
(もうわたくし一生るう様に仕えさせていただきますっ)
(それは反対しませんが、るうが目を回していますよ)
(きゅう・・・)
結局あの後、るうの食事は『ぽんぽこりん』まで食べて残りは下げてもらいました。
手付かずの料理は、まかないで食べることにすると聞いてせっかくの料理が無駄にならないことを知ってほっとしたるうなのでした。
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ダリア - やはり貴方様の書く作品は迚素晴らしい物ですね!るうちゃん物凄く好きです!可愛い!登場人物は全員好きになってしまいました!! (2022年9月15日 3時) (レス) @page50 id: d57692a101 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃色の夢(プロフ) - やほ子さん» 読んでくださっていたのですね。ありがとうございます!今は繁忙期で少し忙しくて更新が遅いですが今後もよろしくお願いします^^ (2021年3月17日 0時) (レス) id: ef139e1273 (このIDを非表示/違反報告)
やほ子(プロフ) - 瑠璃色の夢さん» なるほど!!私少し前に読んでました!リメイク版が見れるなんてうれしいです! (2021年3月16日 21時) (レス) id: d9cd79b552 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃色の夢(プロフ) - やほ子さん» コメントありがとうございます。こちらは以前別サイトで投稿していた小説のリメイク版になります^^現在は瑠璃色の夢という名でしていますが以前は瑠璃夢という名で投稿しておりました。 (2021年3月16日 15時) (レス) id: ef139e1273 (このIDを非表示/違反報告)
やほ子(プロフ) - この小説他のサイトにも投稿してらっしゃったりしますか? (2021年3月16日 14時) (レス) id: d9cd79b552 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:瑠璃色の夢 | 作成日時:2020年1月29日 16時