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宿屋に帰ってきたバルにリクとカイが気づくと、るうの頭の先から足の先まで観察されバルはひやりとしましたが、1つ頷かれるとほっと息を吐きました。
「ただいま、でしゅ。りきゅ、かい」
「はい、おかえりなさい。怪我をしていないようで安心しました。それで、バル。るうの様子はどうでしたか?町の子供と仲良くなれました?」
「え、ええ。仲良くはなれました・・・が、相手は狼族の双子で、その、るう様と遊ぶのは難しいようでした。るう様と夕食を共にしたいと希望されましたので、返事は待って頂いております。第3区の裏通りの子供でした」
「おかえり、るう。第3区か。るう、どうだった?そいつらと仲良くなれそうか?」
リクの問いかけに、るうはふわりと笑顔を浮かべてコクコクと頷きました。
そんなるうを愛おしげに見て、カイはバルにだっこされていたるうを抱き上げるとリクに提案します。
「夕食ですか。リク、その子供たちはこちら側で招待するというのはどうです?あちらへお邪魔するのでないなら安心でしょう」
「ああ、そうだな。バル、その子供たちの顔は分かるんだろう?子供の親に話してきてくれ。騎士団の紋章持って行ってこい」
「はい。行って参ります。それではるう様。失礼します」
「ばりゅ。ありがと、でした。たのしかった、でしゅ」
るうの言葉にバルは薄く笑うと、もう一度頭を下げて出て行きました。
騎士はもう1人いた方がいいだろうということで、バルと一緒に宿を後にしたのは熊族のログで、この町に到着してから周辺の治安調査などをしていたログは困惑気味でバルの隣りを歩いています。
「第3区っていやぁ、かなり貧困地域で治安もあまり良くねえ場所だよな。別に地区で差別するわけじゃねえが、るう様に危害がなければいいがなぁ」
「・・・ええ。俺・・・いや、私もそう感じております。子供たちに罪はないのですが・・・」
ログにとって、ルイは可愛い弟分ですが、バルのことも弱音を言えない天邪鬼な可愛い弟だと思っています。
バルがいつもの『俺』ではなく、『私』と言い直したことで、なんとか騎士モードを継続させているバルを微笑ましく思いました。
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ダリア - バルさん!素敵です!!ログさんもっと絡みが見たいです!ルイくん可愛い!!良いぞ、もっと、るうちゃんを愛して!!! (2022年9月15日 7時) (レス) @page49 id: d57692a101 (このIDを非表示/違反報告)
akithin.(プロフ) - 更新楽しみに待ってます(*´-`) (2021年6月9日 0時) (レス) id: a790115b23 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃色の夢(プロフ) - kuroさん» いつも嬉しいお言葉をありがとうございます^^何度も読んでくださっていると聞いてとても励みになりました。愛おしいだなんて・・・(嬉泣)今後も頑張りますのでよろしくお願いいたします(*^^*) (2020年9月17日 0時) (レス) id: ef139e1273 (このIDを非表示/違反報告)
kuro(プロフ) - 更新ありがとうございます!いつも癒されてます!最後まで読んだ後に最初から読み直してますが読む度愛おしさが増すばかりです!これからも頑張ってください^^ (2020年9月16日 15時) (レス) id: 922f0caa1e (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃色の夢(プロフ) - 月さん» 嬉しいコメントありがとうございます^^リメイク前を読んでくださっていたのですね(嬉)あの時の瑠璃夢が現在の瑠璃色の夢でございます。改めて今後もよろしくお願いいたします(*^^*) (2020年8月22日 2時) (レス) id: ef139e1273 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:瑠璃色の夢 | 作成日時:2020年6月12日 4時