45 ページ45
1人青褪めて顔色の悪いルイは、バルの騎士としての精神面での経験値を本気で羨んだのは言うまでもありませんでした。
そんな時、少し開いていた扉が静かに開いたことに気づいて2人は扉に視線を向けたのですが、誰もいないことに不思議に思い、顔を見合わせていると、下から小さく可愛らしい声が聞こえてきます。
「あ、の。うるさい、して、ごめん、なしゃい」
「「るう様!?」」
1人で扉を開けられたのかと、驚いた顔をした2人でしたが、るうの後ろからドアノブを握っているリクを目にすると、どうしたのだろうと首を捻りました。
「るう様。どうなさいましたか?お部屋から出られるのでしたら付き添わせていただきますが・・・・」
「っ。あの、にゃみ。どこか、わかりゅ、でしゅか?」
どうやらるうは部屋から出るつもりではなく、侍女であるナミを探しているようで、リクが補足して口を開きました。
「大分長い時間泣いていたようだからな。喉が渇いたようだ。悪いがナミに茶を持ってきてくれと伝えてくれ。それと、るうの食事も頼む。今頃調理場へ行って用意はしているだろうがな」
「は、はいっ。行ってまいります!」
ルイがパタパタと駆けて行くのを確認した後、バルは片膝を床につけてるうの目線に合わせると、るうの目元が赤くなっていることを確認して心配そうに眉を下げます。
思わず片手をるうに向けて差し出そうとしたところで、るうが視界から持ち上がりました。
バルが目線を上げた先では、リクの片腕に子供抱きにされているるうがいます。
突然抱き上げられたるうは、きょとんとした目をぱちぱちと瞬いてバルを見下ろすかたちになっていました。
髪に隠れて片目しか見えていないバルですが、明らかに眉を顰めているのが分かりましたが、無言で立ち上がると、オロオロしているるうが視界に入ったことで穏やかな表情に意識して戻します。
「るう様。涙を流すことは、思っておられる以上に体力を消耗します。今日はゆっくりお部屋でお過ごしください」
「あ、あい。ばりゅ。しんぱい、かけて、ごめんなしゃい。あと、ありがと、でしゅっ」
頬をピンク色に染めて、るうはあわあわと慌てながらもバルにお礼を言うと、バルが頷いたのを確認したリクは扉を閉めたのでした。
何気に数日前に階下の中庭で見たバル&るうのことを引き摺っているリク様なのでした(笑)
182人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「愛され」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ダリア - バルさん!素敵です!!ログさんもっと絡みが見たいです!ルイくん可愛い!!良いぞ、もっと、るうちゃんを愛して!!! (2022年9月15日 7時) (レス) @page49 id: d57692a101 (このIDを非表示/違反報告)
akithin.(プロフ) - 更新楽しみに待ってます(*´-`) (2021年6月9日 0時) (レス) id: a790115b23 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃色の夢(プロフ) - kuroさん» いつも嬉しいお言葉をありがとうございます^^何度も読んでくださっていると聞いてとても励みになりました。愛おしいだなんて・・・(嬉泣)今後も頑張りますのでよろしくお願いいたします(*^^*) (2020年9月17日 0時) (レス) id: ef139e1273 (このIDを非表示/違反報告)
kuro(プロフ) - 更新ありがとうございます!いつも癒されてます!最後まで読んだ後に最初から読み直してますが読む度愛おしさが増すばかりです!これからも頑張ってください^^ (2020年9月16日 15時) (レス) id: 922f0caa1e (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃色の夢(プロフ) - 月さん» 嬉しいコメントありがとうございます^^リメイク前を読んでくださっていたのですね(嬉)あの時の瑠璃夢が現在の瑠璃色の夢でございます。改めて今後もよろしくお願いいたします(*^^*) (2020年8月22日 2時) (レス) id: ef139e1273 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:瑠璃色の夢 | 作成日時:2020年6月12日 4時