20羽 ページ22
あれから数週間経った。
何があったかは知らないが刀剣たちは俺を主と迎え入れた、のか……?
まぁ、よくは分からないが。
『烏丸』
烏「なんでしょうか、主」
『人格が消える』
烏丸はよく分からない、と言った表情だ。
『白が言いに来たのだ』
白とは付き合いが長い。
人格とは違うが、俺の対にあたるものらしい。
それゆえ、俺はアイツを白と呼び、白は俺を黒と呼ぶ。
アイツが何なのかは俺も全くわからん。
烏「では、これからは…?」
『俺でいることとなる。まだ新しい愛斗ですら奪うと言うのだ』
寂しくなるな……
愛しい、家族のような存在であったのに。
烏「わかりました。して、主。出陣はどうなさるのですか?」
『……茶を飲んでくる』
出陣?うるせぇやい。
こんなこと言ってるから政府からの文がたまるんだが…
俺は茶をいれると縁側で飲もうと廊下に出た。
冬ではないとはいえ夜はまぁまぁ冷えるから誰もいないだろう。
「おぉ、Aではないか」
何故いる。
『三日月宗近、夜は冷える。中に入った方が』
三「それはお主も同じであろう」
チッ、正直に言ったらいいのか?
俺は茶を飲みたい、邪魔だから部屋戻れ下さいと?
斬られるわ。
まぁ俺が勝つがな。
平和に行くか、和睦和睦。
『…俺は茶を飲みに来たのだ』
三「おぉ!ならば一緒に飲もうぞ」
一緒に、とか可愛いな。
でも1人がいいんだが…
『ま、いいか』
久しぶりに、な!!
『三日月宗近は月見酒か?』
三「あぁ、綺麗だったからなぁ」
酒は飲めないからな。
そういえば刀は全員飲めるのか……!?
あんな可愛い短刀もか!!
『……桜がか』
確に、夜桜とは綺麗なものだ。
なんで俺外に出たんだろう。
あ、風にあたるためか。
涼しい←
三「なに。月のことだ」
今日は満月。
月明かりが多いから夜でも周りがよく見える。
『…月は好きか?』
三「あぁ。俺の名にも入ってるしなぁ」
なんか、こう…のほほんとした話し方で三日月宗近のペースに乗せられそうで嫌だな。
三「お主は嫌いなのか?」
「じぃさーーーーん!!!!」
『おっと、加州清光かな。呼んでいるぞ、三日月宗近』
腑に落ちないようだったが行ってくれて良かった。
『さて、出てきてもいいぞ?』
背の方で麩が開いた。
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作者名:黒瑠 | 作成日時:2016年1月9日 0時