第7話 ページ9
――先程三橋くんを帰してしまったことを、私は今、心から後悔している。
「よぉ姉ちゃん、ちょーっと人捜してんだけどよぉ」
灰色の制服を着た男たちが、5人。
囲むようにして道を塞がれる。普通の人捜しではないということは、誰が見ても一目瞭然だ。
「……なんでしょう、私が知ってることなら」
「へぇ、ひ弱そうな顔してお利口さんじゃねぇか」
1人が愉快そうに口角を上げ、こちらを見つめる。
こちらとしては不愉快極まりないのだが、大人しく要求を聞くのが一番なんだろう。
そう。私は強くない。自分のレベルぐらい自覚しているつもりだ。
「……じゃあよぉ、三橋と伊藤ってヤローのこともちーたぁ教えてくれたっていいよなァ？」
しかし――――それにあの2人が絡むのであれば、話は別である。
やはり、あのとき三橋くんを帰して正解だった。
「……嫌です」
「あぁ？ 俺らに逆らったらどうなると――――」
「嫌だって言ってるでしょ！」
そう、大声で叫んで思い切り睨む。
「調子乗ってんじゃねぇぞこのクソアマァ！」
その瞬間、頭が揺れた。
脳味噌が動かされたと錯覚するぐらいに、強い拳が顔に入ったみたいだ。
激痛が走る。痛い。涙が出る。混乱して、軽いパニックに陥ってしまう。
だから、目の前の光景が信じられなかった。
「遅くなった、ごめんね」
狭い路地裏で、人目につかないこの場所で。
こんなところでも、あなたは必死で見つけてくれるのか。
「伊藤、くん……」
「Aちゃん、ちょっと目ぇ瞑ってて」
伊藤くんはそう微笑むと、目の前の不良たちに向き直って指を鳴らす。
「さーて……Aちゃんの顔傷つけたのは、どいつだ」
――今までの伊藤くんからは、とても信じられないような怖い顔で。
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相馬白楽(プロフ) - 841(やよい)さん» ありがとうございます……！！恐縮です！受験シーズンで更新遅めですが、何卒よろしくお願いします！ (2019年1月22日 15時) (
レス) id: abbe031de4 (このIDを非表示/違反報告)
841(やよい)(プロフ) - イラストもうまくて文章力も凄いです…！あなたは神ですね……！！ (2019年1月7日 14時) (レス) id: af225abe0a (このIDを非表示/違反報告)
相馬白楽(プロフ) - カナリアさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます！これからも頑張って参ります！ (2018年12月8日 21時) (レス) id: 099d65d280 (このIDを非表示/違反報告)
カナリア(プロフ) - とっても面白いです更新頑張ってくださいとってもたのしみにしてます！ (2018年11月23日 19時) (レス) id: 0cf1c80018 (このIDを非表示/違反報告)
相馬白楽(プロフ) - 智世琴さん» わーっありがとうございます！文章力を褒めていただける日が来るなんて；；；； 地の文が多いのがクセで、かなり抑えたので不安だったのでそう言っていただけて嬉しいです！応援よろしくお願いします(∩´∀｀)∩♪ (2018年11月15日 18時) (レス) id: 83bc508e1d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：相馬白楽 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/soranana/
作成日時：2018年11月14日 16時
