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「Aさん、おはよう」
「Aさん、今日一緒にお弁当食べよう」
「Aさん、今日帰り一緒にカフェ行こう!」
あれから京本くんは、宣言通り私にたくさん話しかけてくるようになった。
私はその度にときめいて、どんどん京本くんを好きになっていった。
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「ねえ、Aちゃんって呼んでもいい?」
そう上目遣いで聞いてきた京本くんを断る術を、私は知らなかった。
「・・・いい、よ」
「やった、ほんとはずっと名前で呼びたかったんだよね」
「てか、俺のことも名前で呼んでよ」
「え」
「ほら、大我だよ。俺の下の名前」
「そ、れは、知ってるけど、」
「じゃあ、呼んで?」
京本くんは、また上目遣いでそう言った。無理だ、断るなんて。
「・・・た、た、」
「た?」
「・・・・・・た、いが、くん」
「Aちゃんかわいい、よくできました」
そう言って、私の頭をやさしく撫でた。
その後結局私は、恥ずかしくて京本くん呼びにもどってしまったのだけれど。
京本くんと過ごすこの甘い時間が、大好きだった。
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作者名:あいす | 作成日時:2022年8月10日 2時