エピメディウム (ページ14)

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「瀬崎から聞いた。もう二度と俺らと帰らないんだって？」

顔を見なくても、苛立っているのが伝わってくる声色だった。

「・・・・・・うん」

「急になんでだよ。理由言ってくれなきゃ、納得できない。」

「・・・・・・ごめん」

「・・・・・・Aにとっての俺らって、そんなもんなの。理由も言わずにすぐ切り捨てるような。」

「・・・・」

「黙って俯いてないで、顔上げろよ」

そう言われて、顔を上げた。

「・・・っ、何で、お前が泣いてんの」

「・・・・・・ごめ、ん」

「・・・・・・京本に、何か言われた？」

京本くんに言われて、怖くて断れなかったと正直に言おうか。そう迷っていた時、この前の京本くんの冷えた声を思い出した。本当のことを言ったら、今度は嫌われてしまうかもしれない。そのほうが、よっぽど怖いと思った。

「・・・・・・言われて、ない。私がそうしたかった」

北斗の目を見てそう伝えた。

「・・・・・・そうかよ」
「この前来年も三人一緒のクラスになりたいって言ってたのも、噓だったんだな」

そう言い捨てて、北斗は去っていった。

紗英ちゃんや北斗よりも京本くんを選んだ、私の自業自得だった。

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