二・暗闇から連れ出す

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「あの連続猟奇殺 人が起こった。"兽"、中国語で獣を表す言葉も発見された」

「その事件、かなり昔のやつじゃねぇか」

「そう。このタイミングで…捜1も駆けつけてる。みんなも初動捜査に参加をお願い」





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現場での初動捜査を終え、捜査協力依頼のため、捜1にUDIラボ・不自然死究明研究所への"アッシー"を言い渡された。

"お前らはここで待っとけ！"

刈谷にそう言い渡され、置いていった荷物を伊吹が漁っている。





「あの、志摩さん。高校の先輩がここでアルバイトしてて…」

「え？」

「一年しか被ってないんですけど、図書館でよく会ってた人で。ツブッターで連絡してみたんですけど…」

「Aちゃん、ここに知り合いいんの？！え、男？」

「おい、今それ関係あるか？」

「大アリだろ！！」

「先輩、なんて？」

「無視すんなよ！」

「先輩の配属先で司法解剖したみたいなんですけど、立場的に詳細は話せないと…」

「っんだよ！」

「でも志摩さんたち警察からであれば、所長さんを紹介できるかもしれないそうです」

「是非頼む。俺の名前、伝えてもらってもいいか？」

「はい…！」

「おい志摩ぁ、こんな資料も見つけたぜ？」

「何してんだ伊吹。…バレねぇように戻せよ」

「んでAちゃん、そいつは男なの？」

"メロンパンくーださいっ"

窓の外から声がする。


「あ、すみません。警察車両なんで、ないんですよ」

「ゲロゲロっ！これも？」

「全部ないんです。ごめんなさい」




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俺たちは捜査情報を持ってガマさんに協力依頼に向かった。
Aちゃんにも会って欲しかったし。




「ガ〜マさんっ」

「伊吹、相変わらず元気だなお前は。ちゃんとやってんのか？」

「機捜楽しいよ〜」

「ん？その子は」

「うちの隊長の姪っ子ちゃんで、ちょっとうちの課で預かってるAちゃん。可愛いでしょ」

「お前が好きそうな子だな」

「さすがガマさん。正解〜」

「初めまして…」

「こんなだが、真っ直ぐなヤツだ。仲良くしてやってくれ」





とても優しそう。
伊吹さんと親子みたい。
亡くなった奥さんの意向でボランティアを始めたそう。
若い男性外国人がちょうど帰るところだった。




「ガマさんに聞きたいことがあってさ…」




良いところでガマさんの記憶が欠落しているようで、日を改めることに。

奥さん亡くしたんだもん。
私だっておかしくなるだろうな。

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