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「"人にはスイッチがたくさんある"…前に俺が言ったよな」
「あぁ」
「人は良い方にも悪い方にも行く。
警察官じゃなくても死は避けられないが、俺らにはそのリスクがそこかしこに散りばめられてる」
「やっぱ無理じゃん…」
「選ぶものひとつひとつで、状況はかわる。
まずお前、今日手袋持ってきたか?手錠は」
「忘れた。でもそんなん志摩が持ってるからいいじゃん」
「お前のそういうとこからだ。
近くに俺がいなかったらどうする?
手袋は死に直結していないが、手錠はどうだ。
もし犯人を捉えて押さえ込んでも、逃げて暴走するかもしれない。
違うか?」
「まぁ…」
「不安要素を自分で作るな」
「不安要素…」
「Aちゃんが不安がってるんだろ」
「志摩はなんでもお見通しだな」
「お前が感情ダダ漏れにしてるだけだろ。
俺はそれをただ読んでるだけだ」
「えっ、俺それだめじゃない?刑事として致命的じゃない?」
「とりあえずその包帯、痛々しいから外せ。
どうせもう、痛くねぇんだろ?」
「おう!」
なんか見えてきた気がする。
志摩、やっぱ最高のバディだわ。
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今日、どうしよう。
嫌な夢見そうだから徹夜しようかな…
「Aちゃーん?おーい!」
「あ、すみません…」
「なんか、遠い目してたよ。休憩してくる?」
「いえっ、あ、これ終わりました」
「いつの間に!…相変わらずの出来だなぁ」
その後も上の空が続いて邪魔になってしまったので、お暇をいただいた。
休憩中のゆづるちゃんに声をかけて話を聞いてもらった。
「ゆづるちゃん、前にさ、"家族なんだから迷惑かけなさい"って言ったよね」
「言ったよ。どうしたの急に。なにか迷惑かけたいの?」
「そうじゃなくて…」
「伊吹か」
「…」
「別に家族じゃなくても、あんたのこと考えてくれてる人になら、迷惑かけてもいいと思うよ?」
「でも、」
「そうやって迷惑かけまいとして、逆に相手を傷つけてることもあるんだよ」
「そうなの…?」
「そうでしょ?どれだけ私が心配したと思ってんの!」
「…ごめんなさい」
「そろそろ素直になりなさい。その方があいつも喜ぶ」
「よくわかんないな…」
「わかんなくてもいいのっ。あんたたち見てるとむず痒いっ!」
「えっ、なんで…?」
「さて、私は仕事に戻る」
「あ!…ありがと、ゆづるちゃん」
「どういたしまして〜」
振り向かず、手を振りながら仕事に戻って行った。
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終(プロフ) - 第一章がどれかわからないので教えてもらえると助かります (2021年1月18日 17時) (レス) id: 8e51380abb (このIDを非表示/違反報告)
おーたむ(プロフ) - リリアさん» こんな文才を褒めて頂けるなんて光栄すぎます!!!読み直してもらえる作品になっただなんて( ; ; )すれ違い、かしこまりました(^^) (2020年10月19日 8時) (レス) id: e55edcc942 (このIDを非表示/違反報告)
リリア - 凄く面白かったです!伊吹さんの優しさと夢主さんの健気で可愛い所が最高です。おーたむ様の文才に感動しました!何回も読み直してしまうほど好きです!すれ違いや喧嘩したりする話も読んでみたいです。これからも応援しております。 (2020年10月18日 3時) (レス) id: daabe5a53e (このIDを非表示/違反報告)
おーたむ(プロフ) - 由羽さん» 文面を褒めて頂けるなんて…ロス同じですね( ; ; )とても嬉しいコメントありがとうございます…!!!イチャこらと恋バナ、承知しました♪ (2020年10月15日 7時) (レス) id: e55edcc942 (このIDを非表示/違反報告)
由羽 - とても面白かったです。台詞も文章もとても素敵で毎日更新されるのを楽しみにしてました。私もロスが続いているので、できればまた書いていただけたら嬉しいです。(伊吹とのイチャイチャや、伊吹と志摩の恋バナを書いていただけたら嬉しいです)ありがとうございました! (2020年10月14日 19時) (レス) id: 7535220b5c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おーたむ | 作成日時:2020年9月12日 14時