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『今日は疲れたな……』
自室のベッドで大の字になりながら呟いた
いつも以上に溜まった疲労で、ベッドに横になるとすぐ目が閉じてしまいそうになった
『そういえばさっき助けてくれた3人、綾薙学園の制服だった』
騒動で頭がいっぱいになり気づかなかったが、あの制服はミュージカルで有名な綾薙学園の制服だった
詳しくは知らないけど、あの有名の月皇遥斗も綾薙出身だと聞いた
自分がその学校の生徒に助けてもらったのだと再びそう思うと不安が込み上げてきた
『凄い人達に会ってしまったかも…ファンとかに暗殺されそう…』
もし彼らが月皇遥斗のようなスターと呼ばれる人たちなら…と考えると不安が募るだけだった
ミュージカルに特に興味があるわけでもない
きっと綾薙学園の生徒と関わる機会は、これからあるとは考え難い話だ
自分にそう何度も言い、不安を消していった
気を紛らわそうと、机に置いてある卓上カレンダーを見た
明日の日付の所に小さく“バイト“と書かれている
明日もバイトがあるのかと思うと深いため息が出た
明日は空閑さんがシフトが入ってない
もし虎石さんが来たら助けてくれる人はいないだろう
空閑さんがいるときは助けてもらっているが、空閑さんがいないときは私はどうすることもできず、虎石さんのペースに流されてしまうだけだ
『虎石さんただの女好きじゃん…』
たまに「遊びに行こうよ」「メアド交換しよ」などと、声をかけてくるお客さんはたまにいる
断れば諦めて、他の女性店員に声をかけるタイプがほとんどだ
虎石さんも他の客と同じで、女なら誰でもいい人なのかと思った
実際そうなのかもしれないが彼は粘り強く、未だに私のメアドを聞き出そうとしている
正直言って迷惑で仕方がない
もういっそ教えてしまえば楽なのかと思ったが、連絡などを取り合う仲になってしまうほうが面倒だ
だから私は彼が折れるのを待っている
多分、彼も私が折れるのを待っているのだと思う
『誰があんなチャラ男にメアド教えるもんか』
負けてたまるかと野心を燃やし、眠りについた
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こうこ - 素敵です!続き楽しみにしています(*´艸`*) (2017年6月14日 21時) (レス) id: 3f40ad8d7f (このIDを非表示/違反報告)
ディー&ダム(プロフ) - 誰が喋っているか、分かるようにしてもらえるとありがたいです! (2017年5月18日 16時) (レス) id: 9c7bed322d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:白野 | 作成日時:2017年5月12日 20時