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▽主side
バイトが終わり家に帰る道
人通りが少なく、たまにすれ違うのは犬の散歩途中の人ぐらいだ
いつも通る道だから特に怖いとも思わないし他の道を通って帰ろうという考えも特になかった
それに、この人通りの少なさが私にとってはとても落ち着いて帰ることができて気に入っていた
『虎石さん…今日も来てたな』
口に出てしまっていたと気づき、すぐに周りを確認したが道にいたのは私と少し遠くから来ている男性だけだった
あの距離なら聞こえてないだろうとホッっと気持ちを落ち着かせ再び歩き始めた
虎石さんはうちの店の常連客の一人
空閑さんに聞いた話では、お二人は幼馴染みであり、今も同じ学校に通っているとのこと
それを聞いたときは少し驚いたけれど、お二人の会話を見れば納得した
『(虎石さんの性格はともかく、空閑さんも虎石さんもイケメンだからきっとモテるんだろうな)』
なんて考えながらボーっと歩いていると、こちらへ向かっていた男性と肩がぶつかってしまった
『ごめんなさっ…あ!』
ぶつかった衝撃でバランスを崩し、言葉は最後まで言えなかった
力が緩んだその瞬間を狙ったのか、ぶつかった男性は私のスクールバッグを強引に取って走っていった
『嘘でしょ……』
面倒なことになってしまったと自分の不運さを恨んだ
女子高生のバッグなんて盗んで何があるのだろうか
幸い、携帯と財布はポケットに入れていたが、無くなってしまった教科書などのことを考えると後々、更に面倒なことになるだろうと考え、バッグを盗んだ男を追うことにした
男はそれほど足は速くなかったが体力はあったようで、スピードが落ちる気配は全くなく、先に限界を迎えようとしていたのは私だった
「君、どうしたの」
振り返るとそこには、それぞれ茶髪、赤髪、青髪の男子高校生らしき人とたちがいた
『実は…あの方にバッグを盗まれてしまって…』
私が事情を説明すると赤髪の方がため息をつき、「女子高生の鞄盗むなんて変態かよ」と言った
私もそれは少し思いました、と言おうとしたがそれは心の中に閉まっておくことにしよう
「そんなこと言ってないでさっさと追うぞ」
青髪の方がそう言うと「ちょっと待ってて!」と茶髪の方が言い、3人とも男の方へと走っていってしまった
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こうこ - 素敵です!続き楽しみにしています(*´艸`*) (2017年6月14日 21時) (レス) id: 3f40ad8d7f (このIDを非表示/違反報告)
ディー&ダム(プロフ) - 誰が喋っているか、分かるようにしてもらえるとありがたいです! (2017年5月18日 16時) (レス) id: 9c7bed322d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:白野 | 作成日時:2017年5月12日 20時