青く輝く真っ直ぐな瞳 ページ13
沖矢サイド
更にはその後に彼女がスコッチのボトルを取るのを一瞬躊躇したと思えば、優しくそのボトルを取り、両手で持つと、
まるで腫れ物を触るかのように更に優しい手つきでスコッチの名を書いてある部分をひと撫でしていたのだが、その後に
?『…覚えてるわけない…よね…』
と呟いた事により、それは確信へと変わった
何故ならもし本当に彼女があの時の少女であるなら、少女からすればあの時の状況はスコッチが普通の自 殺志願者であると勘違いしている可能性が高く、
それならばその自 殺志願者と同じ名前の洋酒をあんな風に腫れ物のように扱う理由も納得がいく
そして彼女の今の言葉は恐らくあの時の事をスコッチが覚えている訳がないという意味で言ったと考えれば、全ての辻褄が合う。
沖矢?「…フッようやく見つけたんだ。次は逃がさんぞボソッ」
そこまで一瞬で考えた俺は彼女に聞こえないようにそう呟いてから
沖矢「あの〜すみません。」
と彼女に″沖矢昴として″話しかけた。すると彼女は何かを考えていたのか、ハッとした様子になってからこちらを向いた
ドクン
沖矢「?」
その際に、あの時も見つめられた青く輝く真っ直ぐな瞳に暫く見つめられた後、″『何』という短い彼女の声″を間近で聴いた時、何故か″俺″の胸が高鳴った気がした。
その謎の高鳴りに疑問を覚えつつ、俺は彼女の質問に対して
沖矢「いえ、随分と深刻そうな顔をしてその洋酒を見つめていらっしゃったので、もしかしたら何か悩み事でもあるのではないかと心配になりまして…。
それから貴方は見るからに未成年のようですし、何故洋酒のコーナーにいるのかも気になったというのもあります。
本当にすみません。因みに私の名前は沖矢昴といいます。以後お見知り置きをニコッ」
と笑いかけながら答えると、彼女は少しだけ眉を顰めて暫くその状態で固まったかと思うと、『…別に』とだけ答えて震える手でスコッチを元の場所に戻す。
そしてゆっくりと立ち上がると
『話…それだけ…なら帰る…』
と震える声でそう告げて俺に背を向けて去っていく彼女
その時の表情は真顔だったが、その震えようが異常に気になった俺は、その時はただ単に人として彼女の事が心配になり、気がついたらそんな彼女の手首を掴んでいた。
それに驚きこちらを見た彼女の目が揺らいでいたのが見えたが、それは一瞬の事でまたさっきの真顔に戻ったと思えば
?『…何…』
とだけ聞いてくる。
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何故(プロフ) - チョコレートソースさん» 様。この度は応援のコメントを下さり、誠にありがとうございます!!これからもかなりの亀更新ですが、地道にやりますので良かったらご贔屓下さい! (2021年5月10日 15時) (レス) id: 94e10f3f95 (このIDを非表示/違反報告)
チョコレートソース(プロフ) - とても面白いです!こういう勘違い系のものが物凄く好きなのでみてて楽しいです!これからも応援しています!更新頑張って下さい! (2021年5月5日 20時) (レス) id: a8c1fc5263 (このIDを非表示/違反報告)
何故(プロフ) - コーンスープさん» 様。貴重なコメントありがとうござます!しかもこんな作品で笑っていただけたようで何よりです!更には応援までして頂き、感謝しかありません!え!?し、死なないで下さいね!?←当たり前ですねすみません。 (2021年3月8日 21時) (レス) id: 94e10f3f95 (このIDを非表示/違反報告)
コーンスープ(プロフ) - 夢主ちゃんが面白い!(笑)とっても面白かったです。更新応援してます!あ、死ぬほど応援してます!!!← (2021年3月8日 20時) (レス) id: 5def45fbbf (このIDを非表示/違反報告)
何故(プロフ) - Mooさん» 様貴重なコメントありがとうございます!更には作品を褒めて頂くだけでなく、お祝いの言葉まで頂いて、応援までして下さるなんて、感謝に耐えません。本当にありがとうございます! (2021年3月8日 18時) (レス) id: 94e10f3f95 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:何故 | 作成日時:2021年3月5日 12時