錦糸を紡ぐ 2【宀マ娘百合夢】 (ページ2)

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青い空、白い雲、光り輝く海———

そしてそれとは対照的な古びた……もとい趣のある合宿所。バスが停車して、学園所属のウマ娘がどんどん降りていく。

「シンザン会長海に行かないで！」

シンザン先輩はなんというか自由な人らしく、荷物を置いて海へと駆け出した。慌ててシンザン先輩のトレーナーさんが追いかけるが、シンザン先輩は追いかけっこと判断したのか「こっちー！」と逃げている。
仕方ない、放っておこう。そもそも私は合宿の参加者ってわけでもないんだ。今年施設長さんに挨拶するのは副会長のハイセイコーさんらしいし。

そして全員荷物を部屋に運び、各自トレーニングを開始することとなった。

「ルドルフ、あたしは何をすればいいの？」
「そうだな、まずは買い出しだ。ハイセイコー先輩から買い物メモを受け取ってはいるが、私は練習の時間もある。代わりに行ってもらえれば助かるよ」
「わかった。写真撮るからメモ見せて」

ルドルフに見せてもらったメモを撮影し、念のためにロック画面に設定する。これなら撮影した写真に埋もれても確認することが可能だ。……最も、放っておいたらすぐに暗くなるけど。

「先生が車を回してくださるから、荷物が多くなりそうなら声をかけてくれ」
「りょかー。無理して怪我しないでね」
「ああ、わかってるさ」

いってきまーすと手を振り、改めて内容を確認した。……なるほど、これは確かに車が必要だ。
頷いて唯一軽トラで来た先生に声をかけ、ついてきてもらうことにした。