助けてあげられない ページ10
敵「お前の声なんか誰にも届かねぇよ！」
貴『声…届いとるよ、聞こえとるっちゃね…やけど、何もできんと…ごめんなさい、ごめんなさい……ごめん、なさい』
ドカッ！バキ！と蹴り飛ばす音が聞こえてくる
被害者「ぅグッ……ｲｯ、ガハッ」
思わず耳を塞ぐが意味なんて無い
敵2「モルモットはモルモットらしく大人しくしてろ！」
そう言いながらカチャリと何かを取り出す音が聞こえた
被害者「なっ何だそれは、やめろ！やめてくれ」
敵2「なーに、死にやしねぇよ」
敵「強くなれるお薬だよ、お前だって強くなりたいだろ？お前を異形型だって理由で、差別してきた奴らをぶっ飛ばせるかもしれねぇーぜぇ!?」
敵2「出荷前の最終確認のために記録撮らねぇといけないんでね、協力してくれや」
被害者「うわぁぁ!!ｳｯｸﾞｩ…あ゙あ゙あ゙」
耳を塞いでも、頭の中に直接、響いてくる声を止めることは出来なくって…
怯え助けを求める声が、それを嘲笑う声が響き続ける
助けられない、助けてはいけない
ｶﾀｶﾀとふるえる手をグッと唇をかみしめ耐える
貴『ｯﾂ…嫌だ！こんなんいやや！イヤ…ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい』
翼にくっ付いてない羽は普段なら、感知をしないように…振動を脳内で音に変換しないように意識すれば、いや、意識しなければそこまではっきり聞こえないはずなのに…
それをするのは狡いし逃げだ！そんなの許されない！そんな思いに囚われてしまう…
内情を探らなくっては…
それに…人というのは、意識しないようにすればする程意識してしまうものだ。
この被害者の現状だって後々には証拠になり、粛清対象を始末するための理由であり。
また、簡単には始末出来ない相手なら、そいつを黙らせるために利用する交渉材料にもなる。
敵「個性によっちゃ副作用で多少痛みを伴う事もあるが…かなり強力な薬だ！これでヒーローだってブッ潰せる！かなり高く売れるはずだ、儲かるぞ〜」
最高だと下卑た笑声がこだまするように響く
今回の件は、かなり大元に近ずける案件だった。
以前から目をつけていた大物政治家、裏と何かしら繋がっているのはわかっていた、しかし決定的な証拠が得られず手をこまねいていた人物だ。
ここで被害者を助ければ、探ってることがバレて幹部連中はトカゲのしっぽ切りよろしく、下っ端に罪を擦り付けて逃げ果せてしまうだろう。
私一人では、ここに居る全員と証拠の品々、全て抑えることは出来ず逃げられ隠されてしまう。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 38人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
むいちび(プロフ) - 桜丸さん» コメントありがとうございます😊楽しんでいただけて嬉しいです！更新頑張ります💪 (4月4日 9時) (
レス) id: b6b8b2a1d4 (このIDを非表示/違反報告)
桜丸 - ショートくんの女の子の日のくだり好きですwそして相澤先生カッコ良すぎます！！ (4月3日 22時) (レス) @page21 id: 37828d0683 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：むいちび | 作成日時：2023年8月2日 16時
