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二対二 ページ35

宇髄の頬に、汗が伝った。

その様子を見て、妓夫太郎は笑う。

「ひひっ、やっぱり毒効いてるじゃねぇか。効かねぇなんて虚勢張ってみっともねぇなあ」

「いいや、全然効いてないね。踊ってやろうか。絶好調で天丼百杯食えるわ派手にな!!」

宇随の刃と堕姫の帯、妓夫太郎の鎌が激突する。

妓夫太郎の後ろから、壁が崩れる音がした。

何かが、風を切ってこちらへと向かってくる。

「氷の呼吸 弐ノ型 棚氷」

気が付くと妓夫太郎の首には冷たい刃があてがわれていて、
薄水色の刃は鬼の頸をすとんと斬り落としていた。

鬼が振るう鎌を避け、長い髪を風に揺らしながら少女は宇髄の隣に降り立った。

「遅くなってすみません。」

ひゅん、と長い刀が風を斬り次の鬼の頸を斬ろうと身構える。

「宇髄さんともあろう人が何毒喰らってるんですか。今ならかけっこ私が勝てますよ。」

鬼の頸を斬り落とした少女は、宇髄に向けてそんな軽口を叩いた。

その少女の姿を見て、宇髄は笑う。

「いいや無理だね。お前ごときがこの祭りの神に勝とうなんて百年早ぇわ」

その設定、まだあったんですね、とAは苦笑した。


「でもよくやった。お前のおかげで鬼の殺し方がはっきりしたわ。」


頸を乗せ、再生を終えた妓夫太郎がAに迫り来る。

鎌での攻撃を刀でいなしながら、Aは再び鬼の頸を狙った。

「よくも斬ったなぁ、俺の頸。でも妙だなぁ、痛くねぇなぁ。なんでだぁ?」

連撃を避ける。あれは毒だ。
耐性のある宇髄さんはともかく、一発でも食らえば私は使い物にならなくなる。

耳を澄ませて、風の音がする方向を探る。

ふと、「避けろ」と小さな声が聞こえた。

声の方向に思い切り跳躍する。
その瞬間、火薬玉が炸裂した。

堕姫は攻撃を喰らい動けない。その隙を見逃さず私は堕姫の頸を斬り落とす。

宇髄も鬼の頸を斬るべく刃を振るっていた。

避けようとする妓夫太郎だったが、頸に届く寸前で伸びた刀身に驚きの表情を浮かべる。

見ると、宇髄は二つある刀のうち、片方の刃先を持っていた。

頸に届く直前で持ち替えたのだ。だから、刀身が伸びたように見えた。

鎖でつながれた刃が妓夫太郎の喉元へ迫る。

しかし、鎌によって弾かれた刃は頸を斬ることができなかった。


「チッ、こっちは仕留めそこなったぜ」

「私は斬りましたよ。」

「知ってるわボケ俺のおかげだろうが二回とも!」


そんな二人を妓夫太郎は訝しむような目つきでじろり、と見つめていた。

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設定タグ:鬼滅の刃 , 冨岡義勇   
作品ジャンル:アニメ
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弥月(プロフ) - kannaさん» こちらこそありがとうございます!応援してます! (2019年10月13日 9時) (レス) id: 6d130177f0 (このIDを非表示/違反報告)
kanna(プロフ) - 弥月さん» コメントありがとうございます。初めての投稿になるため不安でしたが、そう言っていただけるととても嬉しいです。読んでいただいて、本当にありがとうございます。続き、頑張って書きますね!! (2019年10月13日 7時) (レス) id: 73f13c0ff4 (このIDを非表示/違反報告)
弥月(プロフ) - コメント失礼します。最初から一気に読ませていただきました!言葉では表せない程夢主ちゃんの心の強さや優しさが本当に素敵だなと思いました!言葉おかしかったらすみません…!続き、楽しみにしています!(*´`*) (2019年10月13日 4時) (レス) id: 6d130177f0 (このIDを非表示/違反報告)
kanna(プロフ) - アーロさん» 申し訳ありませんでした。こちらの確認不足です。オリジナルタグ外しましたのでご確認ください。 (2019年10月12日 11時) (レス) id: b959b235dc (このIDを非表示/違反報告)
kanna(プロフ) - かなとさん» 申し訳ございません。こちらの確認不足です。オリジナルタグ外しましたのでご確認ください。 (2019年10月12日 11時) (レス) id: b959b235dc (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:kanna | 作成日時:2019年10月12日 10時

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