才能 ページ33
「妬ましいなぁ、お前本当にいい男じゃねぇかよ。なぁ。人間庇ってかっこつけてなぁ。いいなぁ。
そいつらにとってお前は命の恩人だよなあ。さぞや好かれて感謝されていることだろうなぁ」
宇髄の後ろの怯える男女は、妓夫太郎のことを化け物を見るような目で見つめている。
宇髄は妓夫太郎の言葉にまぁな、と軽く返して、
「俺は派手で華やかな色男だし当然だろ。女房も三人いるからな。」
その言葉に、妓夫太郎の動きが止まる。
「お前女房が三人もいるのかよ。ふざけるなよなぁあぁ！許せねぇなああああ！」
そう言いながら、鬼が血鬼術を放つ。
薄い刃のような血の斬撃だった。
数が多い。庇いきれない。そう判断した宇髄は火薬を使って下の階に降り立っていた。
身を隠すよう男女に声をかける。
血の鎌が、曲がる。
曲がってきた斬撃を宇随の刃が切り裂いた。
斬撃自体操れるのか。と宇髄は敵の攻撃を冷静に分析する。
敵にあたって弾けるまで動く血の斬撃。
あの兄弟、妹の方は頸を斬っても死ななかった。本来であればありえない事態だ。
兄の方を斬れば消滅するのか？兄貴が本体か？
宇髄は火薬玉を取り出した。
天井付近で火薬玉へと刃を通し、中の火薬を爆発させる。
跳躍して、爆発が収まった二階へと戻る。
「まぁ、一筋縄ではいかねぇわな。」
宇随の前には、帯によって守られた妓夫太郎と堕姫がいた。
「俺たちは二人で一つだからなぁ」
妓夫太郎は、そう言って笑みを浮かべた。
「お前、今まで殺した柱たちと違う。お前は生まれた時から特別な奴だったんだろうなぁ、選ばれた才能だなぁ、妬ましいなぁ、一刻も早く死んでもらいたいなぁ」
そう言う妓夫太郎に宇随は才能？と言ってから、皮肉気に笑った。
「俺に才能なんてもんがあるように見えるか？俺程度でそう見えるならテメェの人生幸せだな。
この国はな、広いんだぜ、と柱の二人を思い浮かべる。
「得体の知れねぇ奴もいる。刀を握って二月で柱になるような奴もいる。俺が選ばれてる？ふざけんじゃねぇ。俺の手のひらから今までどれだけの命が零れたと思ってんだ。」
宇髄の言葉にぐぬぅ、と気圧される様子の妓夫太郎だったが、すぐに言葉を続けた。
「だったらどう説明する？お前がまだ死んでいない理由はなんだ？俺の血鎌は猛毒があるのにいつまで経ってもお前は死なねぇじゃねえか。」
「俺は忍びの家系なんだよ。耐性つけてるから毒は効かねぇ。」
思い出したのは、生まれた家と弟の事だった。
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弥月(プロフ) - kannaさん» こちらこそありがとうございます！応援してます！ (2019年10月13日 9時) (
レス) id: 6d130177f0 (このIDを非表示/違反報告)
kanna(プロフ) - 弥月さん» コメントありがとうございます。初めての投稿になるため不安でしたが、そう言っていただけるととても嬉しいです。読んでいただいて、本当にありがとうございます。続き、頑張って書きますね！！ (2019年10月13日 7時) (レス) id: 73f13c0ff4 (このIDを非表示/違反報告)
弥月(プロフ) - コメント失礼します。最初から一気に読ませていただきました！言葉では表せない程夢主ちゃんの心の強さや優しさが本当に素敵だなと思いました！言葉おかしかったらすみません…！続き、楽しみにしています！(*´｀*) (2019年10月13日 4時) (レス) id: 6d130177f0 (このIDを非表示/違反報告)
kanna(プロフ) - アーロさん» 申し訳ありませんでした。こちらの確認不足です。オリジナルタグ外しましたのでご確認ください。 (2019年10月12日 11時) (レス) id: b959b235dc (このIDを非表示/違反報告)
kanna(プロフ) - かなとさん» 申し訳ございません。こちらの確認不足です。オリジナルタグ外しましたのでご確認ください。 (2019年10月12日 11時) (レス) id: b959b235dc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：kanna | 作成日時：2019年10月12日 10時
