【鬼滅の刃】氷の刃【弐】

別行動 ページ18

3日間動かすことのなかった私の体はすっかり鈍っていた。

全集中の呼吸は水の呼吸に戻っているし、速さが全然でなくなっている。

「…致命的だ……」

体重計に乗って体重が増えていた時の気持ちだこれ。

早く何とかしなきゃ、と機能回復訓練に向かおうとしたら激しい怒りの音をさせたしのぶさんに「重病人はベットで寝てくださいね。師匠共々本当に手のかかる人ですね！」

と、ベットに放り込まれた。

とりあえず、あの日にできた氷の呼吸をベットで再現してみる。

うん、これなら寝ながらでも大丈夫だ。

２日ほど経って全集中の呼吸・常中ができるようになったころ、機能回復訓練への許可が出た。

炭治郎たちは、全集中の呼吸・常中を会得するべく走り込みや岩を持ったりなどいろんな修行方法を試していた。

私も今度やってみようかな。

カナヲと薬湯をかけ合い、追いかけっこでカナヲに勝つと次の任務が舞い込んできた。

これは、回復したと判断されたのだろう。首の傷も、跡は残ってしまったが傷がふさがっている。

禰豆子の潔白が証明されたため、一緒に任務に出向く必要が無くなったのだろう、炭治郎たちとは違う任務に着くことになった。

「じゃあ炭治郎たちとはここでお別れなんだね。寂しいなぁ」

「大丈夫、また会えるさ！」と炭治郎は笑顔で言う。

善逸は泣いていて伊之助は「じゃあなちっこいやつ！」と最後まで名前を覚えてもらえなかった。

そんな三人に手を振りながら次の任務に向かった。


鬼が出たのは竹林だった。

竹林はしなりがあるため足場としては心許ないが、なるべく多くの実戦で氷の呼吸を使い、一刻も早く慣れる必要があった。

足場が比較的安定している根本近くの部分に足をかけ、跳躍する。

体は鬼の頸のすぐ近く。

「氷の呼吸 弐の型 棚氷」

痛みを感じずに鬼の頸を斬るには、鬼の頸と直角に刃を通す必要がある。

氷の呼吸には五つの型があり、どの型も一撃のみの攻撃、頸を斬ることに特化した攻撃である。

弐の型 棚氷は水車の派生で、縦の斬撃。つまり、地面と平行になる必要がある。

刀は、真横に振るよりも縦に振った方が力が乗りやすく、威力が増す。

足りない分は速さで補って、鬼の頸に刃を振り下ろす。


ぼろぼろと体が崩れていく。


刃を鞘にしまうと、烏が肩に降り立った。

どうしたの、と尋ねると烏は口を開く。


「炎柱の煉獄杏寿郎が、上弦の参と交戦。死亡した。」

烏が告げたのは、煉獄さんの訃報だった。

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