追求56個目 ページ7
比較的､視力は悪くは無い方だと思う｡
最上階から一階までの人が何をしているのか､何を持っているのか､位は見える｡
ただ最近､少し不安になる事が稀にあるのだ｡
急に目の前がぼやけて何も見えなくなる事が､ここ数日で現れ始めた｡
原因は不明｡だけど何となく､幼い頃に聞いた話ではあるが思い当たる節がある｡
"私たちの血筋はね､年老いていく度に何かが低下していくの"
"人によって様々だけど､私の場合は力が低下してるみたい"
"少し前までは貴方を軽々と持ち上げる事も出来たのに､今ではもう駄目ね"
"ごめんね"
この話をしてくれたのは､確か＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿誰､だったろうか?
あれ､思い出せない｡
可笑しいな｡
さっきまで分ってた筈なのに､
あの声の主は誰?
あの人は誰?
分らない､
分らない､
｢Aちゃん､入ってきて良いよ｣
ふ､と背後から声がして意識が此方に戻る｡
後ろを振り向けば､首をかしげて此方を見るひとらんらんさん｡
慌てて其方へ向かい､少し謝ってひとらんらんさんの後ろに行く｡
扉が開けば､忽ち香る甘い香り｡
香水とかの香りでは無く､恐らく菓子類などの甘い香りだと考える｡
｢失礼します､｣
ゆっくりと部屋の中に入れば､正面には大きな机と多くの書類｡
その奥には此処の総統が座っていた｡
窓から差し込む日が､総統の綺麗な髪を照らして輝いている｡
紅い瞳は相変わらずギラギラと鋭くこちらを観察している様だった｡
｢大分顔色も良くなったらしいな｣
｢お蔭様で命拾いしました､有難う御座います｣
｢そう畏まるな､敬語は無くていい｣
突然無理な話ではないだろうか｡仮にも目の前の人物は自分の主人に当たる人物｡
例え捨て駒だとしても､今こうして生きている事には変わりない｡
そう戸惑っていると､ひとらんらんさんが咄嗟にフォローを入れてくれた｡
｢急にそんな事言われても困るでしょグルちゃん｡
でも確かに､敬語は俺何か変な気分だな…｣
結局はひとらんらんさんも総統と同じらしい｡
ﾁﾗ､と此方を見てくる彼等はどうも幼い子供の様にも見える｡
｢私の方が年下ですし､皆さんよりも後に入ったので敬語は…｣
｢でもむず痒いよ､敬語使われるのって｣
｢総統命令でもないのに､流石に其れは無理かと､｣
この時､私は自分の言った事を数秒遅れで理解した｡
しかし､時既に遅し｡
目の前の総統の赤い瞳が､ｷﾗﾘと輝くのが見えた｡
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代口 - ゆきさん» 配色についてはあくまでも個人的な創造の一部だったので､其処まで意識しておりませんでした｡指摘されて初めて感じる違和感…しかし今作につきましては､このままの配色で行きたいと思います｡ご理解頂きます様宜しく御願い致します｡ (2018年10月15日 22時) (
レス) id: 56f6e86835 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - ん〜。マンちゃが緑でゾムか黄緑じゃないっけ〜。 まぁ、気にしないけどねぇ〜。 (2018年9月4日 23時) (レス) id: 4e186dbe54 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - らんちゃ（らんちゃん）のなんか恥ずかしいね。がｸﾞｯ……ｶﾞﾊｯ（吐血&鼻血）だった。可愛い (2018年9月4日 22時) (レス) id: 4e186dbe54 (このIDを非表示/違反報告)
代口 - ハクさん» うわあああ有難う御座います(; ;)そう言って貰えると本当に嬉しいです…!今後も更新頑張りますので､どうぞ宜しく御願い致します!!! (2018年6月13日 21時) (レス) id: 13ffe3f0cb (このIDを非表示/違反報告)
ハク - うああああああ！すごい作品ですね！話の流れもスラスラしていて最初から読ませて頂きました！終わるまで見続けます頑張ってください(´ω`) (2018年6月7日 20時) (レス) id: 19710dfa66 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：代口 | 作成日時：2017年1月29日 23時
