追求44個目 ページ44
ﾊﾟﾗ､と本を捲る音が部屋に響く｡
捲られた本は文字の羅列で､端から端までギッシリと書き込まれている｡
部屋は一面本で溢れ返り､所々入り切らない本が机に積み重ねられていた｡
その机の真ん中の位置では"我々"の外交官にしてJkのオスマンが椅子に座って本を読んでいた｡
分厚い本の中から､自身の求める情報だけを読み取り
本を捲る手とは反対側の手で､紙に纏めていく｡
実に単純な作業ではあるが､単純だからこそ大変な事もあった｡
一体この部屋だけで何冊の本がある事だろう｡
それに､本はコレだけには留まらない｡
此処はあくまでもオスマンの自室であり､図書館ではない｡
つまり､此処にある本はこの国にあるほんの一部に過ぎないのである｡
因みにこの国の図書館は､情報が命の外交官である彼の手によって殆ど整理されている｡
膨大な本の数を､各部類に分けて分りやすく置いてあるのは確か｡
しかし問題は､自身が求めている情報は一体､その部類の何処の部分に記入されているのか｡
それを一つ一つ探し出す事であった｡
外交官とは言えども､オスマンだって人間だ｡
慣れている作業とはいえ疲れるものは疲れる事に変わりはない｡
人間､疲れていれば何事も効率が悪くなる｡
ならば休憩を入れれば良いのだ｡それで効率が良くなるのであれば問題はない｡
オスマンは､読んでいた本の間に栞を挟み閉じる｡
ペンは元々置いてあった位置に戻し､本を広い机の端に置く｡
椅子から降りて､自室と繋がった別室へ向かう｡
慣れた手つきでカップを"2つ"取り､紅茶を垂れる｡
味が出るのを待つ間に､外交先で手にする事が出来た､洋菓子を準備をした｡
そして､自室の先程まで作業していた机とはまた別の机に
それらを運んでいった｡
ふかふかのお気に入りのソファーに腰を下ろし､
自身の軍服を綺麗に整え､先ほど垂れた紅茶両方に角砂糖を3つ入れる｡
その時､扉の方からノック音がする｡
確認もせず一言どうぞ､と告げて先に一口紅茶を飲む｡嗚呼､美味しい｡
その合図の後､空いた扉の向こう側から｢失礼する｣と低い声が聞こえる｡
紅茶を一度口から放して､其方を向く｡
｢待ってたよ､グルちゃん｣
｢嗚呼｡遅れてすまないな､オスマン｡｣
｢紅茶は今垂れたから､冷めない内に早く飲むめう!｣
そう言われたグルッペンは､扉を静かに締めると
オスマンの向かい側のソファーに腰を掛けた｡
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代口 - eiさん» 見直しました所､誤字の箇所確認致しました｡訂正させて頂きます､大事な場面での誤字は恥でしかない…ご指摘有難う御座います!今後も追求者と我々だ､を宜しくお願い致します｡ (2020年3月2日 23時) (
レス) id: de8de63fc5 (このIDを非表示/違反報告)
ei - グッルペンになってるところありますよｗ (2020年3月1日 20時) (レス) id: 9d4306ee6c (このIDを非表示/違反報告)
代口 - ゆきさん» 親戚の出番一度のみなので､時間ある時にまた絡みを書きたいなと思っております…ｼｭｰ… (2019年12月14日 19時) (レス) id: 9e6428ffc4 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - 親戚wwクリチャン (2018年9月4日 22時) (レス) id: 4e186dbe54 (このIDを非表示/違反報告)
代口 - 考慮させて頂きます｡貴重な意見有難う御座いました｡今後の更新からはなるべくわかりやすく書いていく様に意識させて頂きます｡長文失礼致しました｡ (2017年10月29日 17時) (レス) id: 2ab2960f5c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：代口 | 作成日時：2017年1月4日 22時
